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りんご
りんごの季節がやってきた。
近所の激安スーパーでは、ついに一個の値段が百円を切った。
小躍りしながら特売の大袋を買ってきたところである。
長年の友達が青森にいる。
蓮はそこの出身である。
そのせいで通りすがりの青森の物産展などにも弱く、
気がつくと余計な買い物していたりする。
今日は、りんごの缶詰。
缶には県名が表示されてないので真偽は知らない。
青森のアンテナショップとの看板の怪しい出店が、
駅前のショッピングモールに現れた。
偽物かもしれんと思いつつも買う。
買ってから、ナマものの大袋を買ったばかりなのを思い出す。
またやっちまったよー、と嘆きつつ。
家に帰って蓮をなでる。
蓮はいつものゴキゲンなお顔で喉をゴロゴロ鳴らしている。
蓮のお顔がりんごに見えてくる。
かわいくて幸せなんだから、いくつあってもいいよな。
蓮のお顔は、美味しいからね。
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