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真夜中のスープ
老婆がスープを煮る真夜中。
てなこと書くとどうしても、
ディズニーの悪い魔女。
鼻が曲がって、黒いローブで、
禍々しい暗い森の奥で、
イーッヒッヒッヒ!
て笑いながら大鍋をかきまぜる。
そんな絵が浮かんでくる。
まぁビジュアルは似たようなもんだが、
私のスープはもっと中身がない。
白菜、キャベツ、大根、わかめ、しいたけ。
冷蔵庫にある野菜をコンソメで煮ただけ。
食べたい分だけちょっと煮て、
真夜中に飲むと、ほっとする。
もちろん横には蓮がいる。
目と目を交わして、好きだよ、て伝え合いながら、
私はスープをひと口。
蓮は自分のお鼻をひと舐め。
今日も平凡で退屈な一日だったけど、
蓮がいるから、まあいいか。
そんな真夜中のスープ。
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