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大転職時代4

閉塞した田舎町。

少女が庭先で、ぼんやりと田んぼを見ている。

年寄どころか若い高校生男子まで、

女は家事しろ、フルタイムで働け、浮気されても文句を言うな、

江戸時代と変わらんことを平気でほざく町。

自分は一生こんなところで生きるのかと、

絶望している少女。

だが江戸時代と違って少女の手には、スマホがある。

自分を踏みつけにしてくるやつらのいない世界があることを、

少女は知っている。

そして。

ある夜、唐突に思う。

レジスタンスを。

東京へ行こう、と。

小銭しか入っていない財布とスマホだけ持って、

誰にも何も告げずに、新幹線へ飛び乗るのだ。


うちの職場にはそんな少女がたくさんいる。

自分の尊厳を踏みにじってくる男どもがいないというだけで、

彼女たちは東京を、涙を流して喜んでくれる。

私はもう言葉もない。

地方の政治家さんたちはみな地方創成を謳うけど、

まずは田舎の爺さんたちから既得権を取り返さねば、

若い女性は居つかない。

若い女性が居つかなければ、GDPの原資である、

出生率が上がらない。

首都一極集中を緩和したいなら、

まずは石丸氏のような改革をしなけりゃ、

どんな施策も無意味と思う。


大転職時代がすぐそこまできている。

OAスキル、英会話、プログラム、メイク服飾、etc。

欲しい技能をタダ同然で手に入れられれば、

学歴も職歴も親の支援もない少女たちも、

これまでよりは出世の道が拓きやすくなる。


乗れるものなら乗ったほうがいいぞ、このビッグウェーブに。

と。

会社のお嬢さんたちに耳打ちしたいのだが。

転職そそのかしたのが私なことが上層部にバレると面倒なので、

言いたくても言えない。


いつも世話になっているのに恩を返せなくて、

ごめんよ、お嬢さんたち。

何のお役にも立てないけれど、

婆ちゃんはいつもお嬢さんたちの幸せを祈っているよ。

もし少しでも楽しんでいただけましたら、

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