ローラーシューズ4
結局のとこ慣れの問題かと思う。
近所一周しているうちに、だんだん乗れるようになってくる。
上り坂で苦労するかと思っていたが、
推進力をあげればいいだけなのでそちらは平気だった。
それより下り坂が問題。
スピードの制御がきかなくなると転びそうで怖い。
マンションの階段を使うのにローラーでは転ぶかもと思い、
ふつうの靴で外に出て、シューズに履き替えた。
練習して戻ってきたら、近所の猫のエサやり爺ちゃんがいた。
まるで身投げ現場のようにそろえて置いてある、
私の靴をのぞいて怪訝な顔をしていた。
「すいません私のです」
爺ちゃんは私をみてホッとした顔。
なーんだ、おまえさんかー、と笑って。
そして私の足をみてまた怪訝な顔。
ワンピース姿でよたよたと不格好にローラーシューズをはく婆さん。
何かの事件ですかと聞きたいけど聞けなくて、
爺ちゃんは絶句していた。
近所に迷惑かけてる私。
なるほど、公園で禁止遊具になるはずだわな。
真夏の夜の怪談になる前に、
さっさと上達して専用コートにデビューしよう。
『戦士の休息』
~真夏の島のバカンスで、失くした息子が教えてくれた大切なこと
https://ncode.syosetu.com/n4211jh/
小説もヨロシクです。
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