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ケンシロウ
滅多に夢は見ないのだが、朝起きた時に覚えていないだけで。
人は寝てるあいだに頓狂な夢を見続けている生き物らしい。
大昔、変な夢を見た。
荒野の粗末な小屋が、厳粛な空気に包まれている。
部屋の真ん中に玉座があり、北斗の拳のケンシロウが座っている。
やがて儀式が始まる。
女官の私は膝をつき、銀の盆に載ったものを恭しく差し出す。
うむ、と頷いてケンシロウがそれを受け取り、奥の間へ行く。
銀の盆に載っていたのは、妊娠検査薬。
なんで見たんだ、あんな夢。
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