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盲目のヤギ2
労働も納税も国民の義務なので、
働くべきなのはわかっている。
しかし昨今のブラックで低賃金な労働環境を見ていると、
そう簡単には職をつかめない若者も多々いるのもうなづける。
そもそもいつからこんな、無職が非難される時代になったんだろう。
明治の頃からニートはいた。
高等遊民と呼ばれて羨ましがられて、親の金で遊んで暮らし、
先祖の財を食いつぶして没落などしていた。
江戸の町民はニートのほうが多かった。
ずっと同じ職についてる立派な職人もいたが、
定職のないオッサンも多かった。
たとえば拝み屋などのちょっとしたアイデアを思いついては日銭を稼ぎ、
その日のうちに飲む打つ買うで全額を使い、
病気になったら潔く野垂れ死ぬ。
町民の男女比は男性九割だったので、
未婚率も多かった。
金も名誉も子孫も責任もなにもない。
ただ日々を面白おかしく暮らすだけの人生である。
それが江戸っ子。
粋だけで飯を食っていた。
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小説もヨロシクです。




