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たかがハムカツ3
重役とふたりで食堂へ行き、食堂のおっちゃんと話をして、
社食代の返却を受けた。
重役は、たかが五百円でこんな恥かかされるとは、と不機嫌でいた。
食堂のおっちゃんは、汗ダラダラで恐縮して平身低頭でいた。
なるほど。おっちゃんをイジメるなと言われた理由がわかった気がした。
さらに後日。
すべてをきれいさっぱり忘れた私は、
ごきげんで廊下を歩いていた。
トイレに行こうとしていた。
廊下には誰もいなかったので。
油断していた。
爆風スランプの名曲「噂になりたい」を替え歌にして、
「ト~イレに行きたいっ♪」
ノリノリで歌い、エアギター弾き散らかして歩いていた。
廊下の曲がり角。
直角の壁むこうから現れたのは、食堂のおっちゃんだった。
何事もなかったような、すました顔ですれちがう私たち。
おっちゃんが心中で何を思ったのかは、知りたくもない。
教訓。社内での奇行は控えめに。
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小説もヨロシクです。




