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腕枕
寝る前に、蓮が甘えてくる。
明日の朝になったらまた会社だから。
今日という日が終わるのが悲しいのかもしれない。
頭ぐりぐりにこすりつけてきて蕩け声で鳴く。
私も悲しい。
会社なんて燃えてしまえばいいのにと思いつつ。
蓮を抱っこしてベッドへ運ぶ。
蓮を寝かせて腕枕。
灯りを消して、ずっと撫でてる。
蓮のゴロゴロの音が暗がりに響く。
眠りそうになって、つい撫でる手が止まると、
蓮がムッとして腕から出てってしまう。
がんばって起きて撫でようとするのに、つい眠る。
その瞬間にいなくなる蓮。
蜂蜜みたいに甘い猫は、存在自体が幻だったのかもと思いながら、
寂しくて泣きながら眠る夜。
蓮に捨てられたら生きていけない。
猫は、神。
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