自由9
※業種はフェイク。auショップの店頭あたりをイメージしてほしい。
私は可愛い店員さんである。
12、番外編2
べつに会社に不満はない。給料安いし将来性もないが、
ホワイトだし居心地もいい。だが飽きている。
働くのが苦痛でたまらん日も多い。
それでも時々、心にボーナスもらえる日もある。
ある日、泣きそうな顔のご婦人が駆け込んできた。
シングルマザーで苦労して育てた息子が、明日から大学だという。
今日上京してきて下宿に着いた。
しかし予約していたネットが使えない。
前金を払ったはずの店に電話をしたら、何か手違いがあったのだろう、
そんな予約はないと店員に言われた。
息子が大学に行けなかったら、どうしよう。
実際にはその程度で新生活が壊れることはないだろが、
苦労しすぎた親心が壊れそうになったらしい。
もうワラにもすがる思いで、通りすがりで目についた私の店に、
ふらふらで倒れ込んできた。
よっしゃ任せろ、と燃えた私。
たまたま店も暇だった。
プロの情報網と手配力をフル回転させ、ポイントやキャンペーンを駆使。
初期費用ゼロに抑えてなおかつ激安プランで、即日開通を実現した。
神業を披露して、超・ドヤ顔の私。
ご婦人は床に泣き崩れた。
「ありがとうございます。せめて貴方様の、お名前を…!」
リアルでこの台詞言われたのは生まれて初めてである。
この仕事、もうちょっと続けようかな。
そう思わせていただけた、私のほうこそ感謝である。
新作が完結しました。
『DIAMOND 3』
にゃんこレーシングチームが七時間耐久レースを大爆走!
別名、紅葉がすべての美味しいところをかっさらってく物語。
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よろしくです。




