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大昔に読んだ本

若い頃に一度だけ読んだ本を、年とってから読み返すことがある。

昔の記憶と一致してることはほとんどない。

イメージが真逆になってるのはまだいい方で。

設定や状況や、ひどい時には誰が主人公だったかすら、

まちがえて記憶していることもある。

キーパーソンの性別が逆で、物語の意味がてんで違ってしまったこともあった。


原因は、年月とともに記憶が変化したのじゃなく。

若い頃に読んだ時すでに間違えた読み方をしてた可能性が高い。

たとえるなら。

男の主人公なのに女だと誤認したまま読み終わり、

物語の意味も考えずにそのまま読み捨ててしまったような。


今、若い方々は、映画や音楽を二倍速で再生するらしい。

そんなんでは観たうちに入らないよと年寄りは笑うけど。

自分たちだって無自覚に、似たような鑑賞してたんじゃないかと、

最近思う。


なんだかもったいない気がするので最近は、本の冊数を少数精鋭にして、

かわりに大切に読むよう心がけている。

二十年後にまた読みたくなるような本を読みたい。

できることならその時に、表面ではなく深部の解釈の違いについて、

自分自身と話ができればいいなと願っている。

もし少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク、評価をお願いします。

皆様からの反応が、明日の元気になってます。

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