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誕生日
先日、誕生日をむかえた。
よりにもよってそんな日にかぎって、
年に一度あるかないかレベルのクレーム客の、
対応担当するはめになり。
自分のクジ運の悪さを呪った。
上層部や各部署との連携のおかげで、
ようやく夕方近くに鎮火した。
へとへとで床にへたりこみかけてると、
同僚たちが、ねぎらって小さなお菓子をくれた。
ありがとうありがとうと受け取っていたら、
ひとりに聞かれた。
「今日は美味しいものでも食べてくださいね」
私は答えた。
「うん大丈夫。猫缶買って帰るから」
妙な空気が流れた。
忙しかったんで気づかず仕事に戻る私。
帰宅してから気がついた。
たぶん彼らは、私が猫缶をバースデー・ディナーにすると思った。
違うんだ。蓮の分なんだ。
と言い訳するには遅すぎた。
家で独りで、ちょっと泣いた。
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