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メガネ2
ちなみに視線というのは感じるものらしく。
古い記憶をさかのぼると、かつて電車にいたおっさんたちは、
たぶん私の視線を感じていた。
剣呑な目をした女子高生が凝視してくるのだから、
おっさんたちも怖かったのかもしれない。
日経や読売を読んでたおっさんは居心地悪そうにするだけだったが、
競馬新聞やスポーツ新聞を読んでたおっさんたちは、
もぞもぞして背中をむけてきたり新聞をそっと隠したりしていた。
活字中毒だった私は記事の続きが読めなくなって、
とにかく何でもいいから活字を読ませろバッキャロー、と、
新聞代を払ってないくせに立腹していた。
この眼力のせいか、毎朝満員電車だったのに、
痴漢に遭った記憶がない。
卑劣なやつらは声をあげなさそうな弱者のみを狙うという説は、
正しいんじゃないかと思う。
もうじき新学期。新入生のお嬢さんがいる方もおいでだろう。
痴漢は睨め、と教えてあげていただきたい。
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