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テレビという業界3

いまだ炎上が収まらない、芦原先生の著作権問題。

業界が腐ってるのは知ってたが、ここまで酷いと知らなかった、

てのが一般的な印象かもしれない。

これからも業界体質は変わらずに、ゆっくり斜陽し、

永らえるのだろうと予想する。


若かった頃のことを思い出す。

宴席に、いかにもな業界人を名乗るおじさんがいた。

当時も業界人といえば六本木が主戦場だったようだが、

私の足場の新宿にも業界人は流れてきていた。


おじさんはディレクターを名乗っていた。

自分のところへ著名な老脚本家が企画を持ち込んでくるのだと。

著名人が頭を下げたのがよほど嬉しかったらしく、

いかに自分が彼を冷たくあしらったかを、酒を飲んで自慢していた。

いくら著名人でもああなったらオシマイだ、と嘲笑していた。


私は彼の言葉が理解できなかった。

私の価値観では、オシマイなのは、おじさんのほうだったから。

いくつになっても若手に頭を下げられる脚本家は、

心が瑞々しい素敵なおじい様だろうと感じた。


若すぎた私は、うっかり本音を口にした。

「恥ずかしくないんですか?」

おじさんはキョトンとした。

何を言われたのか理解できなかったらしい。

私が彼の言葉を理解できなかったと同じように。

そして返事をした。

「恥ずかしかったら俺んとこ来ないんじゃない?」

おじさんは主語を取り違えていた。

この国語力ではその老脚本家の作品もまともに読めてないんだろうな、

と当時は思った。自分の国語力を棚に上げ。

そして私は二度と彼の宴席には呼ばれなかった。


私もおじさんも、法律違反はしていない。

だからどちらが間違っているという話ではない。

おじさんにとっては金と権力こそが正しきもので、

そのために親や親友を売り飛ばすのも正しきこと。

その手段が合法なら、誰にも非難される筋合いはない。

ただ、私とは違う世界の住民なので。

今後も、私とは関りのないどこか遠い世界で、

幸せに暮らしていてほしいと祈っている。

もし少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク、評価をお願いします。

皆様からの反応が、明日の元気になってます。

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