指の味2
蓮の投薬が始まって数週間が経った。
ちゅーるに薬を混ぜはじめると、
蓮がすっとんできて私の足元に待機する。
上品にちょこんと座っているかと思えば、
待ちきれなくて私のすねをかじりはじめる。
かじられないよう足をぱたぱたさせながら薬を準備。
はいどうぞ、と指ですくって舐めさせる。
蓮は大喜びで私の指をさりさり舐める。
そのうち夢中になって、指の下にある、
皿を直接舐めはじめる。
自分で舐めてくれれば楽なので。
私は皿をただ持って、蓮の仕草を眺めている。
そのうち蓮が気がつく。
夢中になりすぎて、指じゃなく皿から舐めていることを。
蓮が私を見あげる。
「うらぎったなぁぁぁぁ!」
本能寺で焼かれてる信長のような顔をして。
「ぼくは、おうさまなのに!げぼくのサーブなしだなんて!
くつじょくだぁぁぁ!」
すみませんすみませんと頭を下げて。
私はちゅーるを指ですくって蓮の鼻先へ持っていく。
蓮は涙目で私の指を舐めはじめる。
ひどいめにあいまちた的な涙目で。
そして次回の投薬時。
ふりだしにもどる。
「うらぎったなぁぁぁぁ!」
学習しない親子である。
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