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第四話 百合花の咲く頃に

クラスの友人に愛について尋ねたら、三回転して吹き飛び驚くきょう

自身の言葉の凶悪な力に無自覚な強は、さらに混乱を広げていくのであった……。


どうぞお楽しみください。

 授業中も、先生から何も言われる事なくいつも通りに過ぎ、休み時間になった。

 普段と違う事と言ったら、男連中がいつもより俺の事ちらちら見てたくらいかな。

 まぁ松本達と同じように、俺の変化に戸惑ってるんだろう。

 こんな面倒な状況、早く愛について調べて何とかしないと。

 そう思って教室を出るが、さて誰に聞きに行こうか。

 男だと松本みたいになりそうだが、女と話す事もあんまりないからなー。


「あ、よ、依谷よりたに先輩……」

「よお」

「あ、あの、クッキー作って来たんですけど、い、いかがですか?」

「おー、いつもサンキューな」


 お、リス子。

 前に男に絡まれてんのを助けてから、何かと食い物や飲み物をくれる良い奴。

 こいつなら教えてくれるかな。


「なぁリス子」

「……あの、私、梨沙子、です……」

「あー、悪い悪い。リスみたいで可愛いからついな」

「か、可愛い!? ならリス子で良いです!」

「そっか。サンキュー。で、聞きたい事があるんだけどさ」

「何ですか?」

「愛ってどうすればわかるのかな?」

「みゅいっ!?」


 何だ?

 リス子の顔が急に赤くなったぞ?


「あ、愛ってその、いわゆる男女の……、あれ!? で、でも私と先輩は女同士で……? で、でもでも多様化の時代でそういうのもありって……」

「どうしたリス子? 大丈夫か?」

「はみゃっ!?」


 顔真っ赤にしていきなりブツブツ言い出したから、熱でもあるかと思って額を当ててみたが、そんなに熱くはないな。


「あ、あうあう……、先輩の顔が、目の前に……」

「? 俺の顔がどうかしたか?」

「いえ、その、これは、もう、唇いっちゃっても事故……?」

「は? 何言ってんだお前?」

「そこまでだ依谷! 胡桃くるみさんから離れろ!」


 廊下に響く聞き覚えのある声に、俺はリス子から離れる。

 声のした方を見ると、腕組みして仁王立ちするオオカミ先輩の姿が見えた。

読了ありがとうございます。


胡桃くるみ梨沙子りさこ……小動物系女子。低身長で栗色のボブカット。撫でたくなる頭。

ロリコンじみた男に付き纏われていたのを、きょうが叩きのめした事で慕うようになりました。

以来何かにつけて手作りお菓子を差し入れしていますが、強は「何か食べ物くれる良い奴」程度の認識です。

松本竹本梅本は、強の反応を見て「妹キャラならノーカン」とスルーしています。


次回、オオカミ先輩登場!

どうぞお楽しみに!

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[一言] 胡桃梨沙子 <i658210|34709> 先輩、クッキーです <i658211|34709> 先輩、クッキーです2 <i658212|34709> 先輩の唇、いっちゃっても・・・ <…
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