第二十七話 正解はそれを愛と呼ぶんだぜ
ご無沙汰しております。
弥生とのお出かけで、愛の意味を知った強子。
その足で祖父の元へと駆け戻り……?
どうぞお楽しみください。
弥生先生を見送った後、俺は家に駆け戻った。
「じじい!」
『何じゃ強子。逢い引きはどうじゃった?』
そう聞くじじいの前に、俺は両手をついた。
「悪かった!」
『な、何じゃ急に!?』
「今日弥生先生に愛について教わった! 自分に向ける愛と、他人に向ける愛……。俺は自分の愛ばっかり考えてて、周りからもらってる愛に気付いてなかった!」
『……』
「俺は『四神相応流』が有名になるために喧嘩をしてた。何でじじいやオオカミ先輩が止めるのか、考えもしなかった!」
『うむ……』
「だからちゃんと聞くべきだと思った! 俺の愛も伝えるべきだと思った! 今までちゃんとしてこなかった事は悪かった! だから謝る!」
『……』
弥生先生が教えてくれた事、無駄にしたくない!
「どーせわかんねーだろーし」と周りを切り離していた自分から変わるんだ!
『……良い師に恵まれたの』
「じじい……」
『四神相応流は既にお主に預けておる。流派が潰えるのを善しとはせぬが、流派のために孫を食い物にするなど言語道断と思うておる』
「……!」
『お主が流派を盛り立てんと力を示していたのは知っていたが、それでお主が一度しか無い青春を棒に振る事は看過できぬ。故に禁術を使った』
じじい……!
俺がしようとしてた事を知った上でこの術を……!
『じゃがこれでお主は愛を知った。最早道は誤るまい』
「あぁ!」
『では術を解くとするかの。ようやく人の身に戻れるわ』
じじいが羽根を使って器用に印を結んでいく。
俺とじじいを光が包んでいく。
これで、全部が、元通りに……。
「やっぱり男の身体の方がいいな!」
元の身体に戻った俺は、学校へと向かっていた。
女の身体は軽くて、何かふわふわしてたんだよな。
やっぱりこの方がしっくりくるな!
「おい依谷! これをお前に……! って、あれ?」
あれ、ゴリラだ。
花束なんか持ってどうしたんだ?
「何だ? それ、俺にくれるのか?」
「やるわけないだろ! くそ、何で俺はこんな事……。依谷は男なのに……。何で女とか思ったんだ……?」
ゴリラがうなだれてぶつぶつ言っているのを聞いて、術の効果が切れてるのを改めて感じる。
早く弥生先生に会ってお礼を言わないとな!
読了ありがとうございます。
さて男に戻れた強子改め強ですが、何やらフラグがにょきにょきと……。
次話もよろしくお願いいたします。




