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第六話・試合準備!

「由加はん、学校で模擬戦やるん?」


 先生が立ち去ったあと、平坂さんが種島さんに尋ねる。種島さんによると数日前から先生に模擬戦をしたいと頼んでいたらしい。


 ただ、スポーツシューティングの試合となればサッカーや野球と違って怪我や破損の危険が高いので学校の許可が必要になる。

 今回は別宮先生が学校側に連絡を取ってくれた。


「そのつもりなんですが、皆さんに相談せずに決めてしまってすいません」


「別に謝らなくてもよくない? ユカちゃん部長なんだし」


「そうだよ、練習メニューや活動の日程を決めるのは由加ちゃんの仕事なんだから謝る必要なんてないでしょ」


 と、種島さんは花咲さんと日向先輩にフォローされる。


「しかし種島さん、スポーツシューティングの試合をするには銃だけではなく色々他の装備なども必要なのでしょう? わたくしはそのような装備......」


 信濃川さんの言う通り、銃を用意しただけではスポーツシューティングの試合をすることはできない。判定用のTシャツやリグなどの装備品も必要となる。


「ああ、気にする必要はありませんよ」


「Tシャツとかは消耗品判定やから部費で買ぉたから気にする必要はないねん。それとリグとか最悪なくても試合は出来るしな」


 平坂さんの言う通り、最悪スポーツシューティング用の銃と当たり判定用のTシャツを揃えれば撃ち合いは出来る。

 安全のためにゴーグルとかも必要だけど、すでに種島さんが用意してくれているので今から取り揃える必要はない。

 

 大会とかの試合だとリグやアーマなどを着用する必要があるけど、使い勝手は悪いけどリグはポケットで代用できるし、アーマは体力数値をいじれば良い。


「なるほど、そのような装備がなくても大丈夫なんですね」


「あっあのさ、前に言ってた友達なんだけどその日連れてきて良い? なんかバスケ部とコッチの部活で迷ってるらしくてスポーツシューティングやってるところ見せてあげたいんだよね」


 花咲さんが言っている前に言ってた友達というのは、花咲さんが部活に入った日に“誘ってみる”と言っていた人のことだろう。


「良いですよ」


 花咲さんはその返答を聞くと、廊下に出てその友達に電話をかけて連絡を取る。一分ほど経って、電話が終わったらしく教室に戻ってきた。


「友達土曜日見に来るって」


「そうですか、よかったです。っと土曜日に模擬戦をすると言っても当日に集まって銃を撃ち合うだけでは試合にならないので今のうちに準備しましょう」


「準備?」


 種島さんによると、撃ち合いをする前にHPの設定などを済ませておいたほうが当日スムーズに活動できるらしいので今のうちから準備しておくらしい。


「まずはこれを着けてください」


「これはスマートウォッチですか?」


 倉敷さんは種島さんから貰ったスマートウォッチみたいな物を腕に巻き付けながら尋ねる。私と倉敷さんは腕が細いのでスマートウォッチのベルトが余る。


「これはSH用のスマートウォッチでカウンターとか呼ばれたりしますね。みなさん腕につけたようなので設定の仕方を教えますね」


 種島さんの説明を頼りに設定を進める。平坂さんが用意してくれた当たり判定用のTシャツとブルートゥースで接続してから自分の体力値を入力する。


「体力は自分の身長と体重を合計した数に女の人だと1を掛けた数がHPですね。男の人だと1.2を掛けるんですよ」


 とは言うものの、身長とか体重とかって覚えてないからなぁ......


「まぁ身内で戦うだけなので詳しい数字じゃなくても大丈夫ですよ。大会とか他学校との親善試合となると話は別ですが」


 ということなので、結構前に行った身体測定の記憶を辿って入力する。身長は149cmで体重は47kgなので私のHPは196となる。

 女性の平均HPが大体209だと考えると少しこころもとない数字だ。


「入力終わりましたか? まぁこれで大体の準備は完了ですね。これを見てください」


 種島さんは204と表示されている腕時計を私達に見せて、その腕時計と同期しているTシャツに向かって拳銃を撃つ。

 すると腕時計が“ブッ”とバイブレーションが起きて震える、表示されている数字が204から168に減少する。多分ダメージを受けた判定になったんだろう。


「こんな感じでダメージを受けますね。これで撃ち続けると......」


 種島さんは続けてTシャツに拳銃を撃つ。何発か撃って表示されている数字が0になると時計から“ビィーーッ”という機械音が大きな音で鳴る。


「これが倒された時のサインですね」


「あのさ由加ちゃんが今撃ってた拳銃のダメージって36だったけど、他の銃になるとダメージって変わってくるんでしょ?」


 ひと通り時計とTシャツの説明を受けたあと倉敷さんが尋ねる。


「そうですね、銃というより銃弾によってダメージが変わってきます。平坂さん、対応表をみなさんにラインで送れますか?」


「出来るよ」


 平坂さんからラインを通じて対応表が届く。


挿絵(By みてみん)


「基本的にダメージは銃弾の種類と体の部位、そして着用しているアーマーの性能で決まります。距離減衰とか跳弾確率とか非貫通判定とか他にも色々と面倒くさい計算式が有るんですが、基本的にはこの表を見ればなんとかなりますね」


「じゃあ、さっき拳銃のダメージが36だったのは12ダメージの弾丸が×3の部分に命中したからだったんだ」


「そういう事になりますね。ダメージが高い拳銃でも......」


 その後も種島さんからダメージやボディーアーマーの説明を受ける。

 部活の終わり時間に近づいてきたので今日はそれで終わりにして、土曜日の模擬戦に各自備えることになった。

対応表なのですが4.62×39mmは7.62×39mmの間違いです。

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