閑話:ヤマダ、カトウに会いに行く
大魔王の思い出の人というか恐竜、もう死んでいるかもしれない。
以前、留学に来たのは一億2000万年前だった。カトウはどうなったかな。
大統領との討論会の後は少し暇ができたので、地球を調べた。
大陸の形はだいぶ違うが、海の深さを考慮に入れると、昔、カトウと一緒にいた場所が推定できた。
北米である。捨て子ザウルスのカトウはきっと北米にいるはずだ。
地球に来てから、恐竜はまったくみていない。カトウも絶滅したと思うと、ちょっと悲しかった大魔王ヤマダであった。
ウェブで検索して、捨て子ザウルスの化石がいくつかの博物館に存在するのがわかった。
早速、ヤマダは日本からスミンニアソ博物館に飛んできた。
1cmのシャララーン号で数十分かかる空の旅だけど、8mのヤマダ単体飛行だと4時間かかる。
1cmのヤマダだともっとかかってしまう。
ロッキー山脈でピチョン砲で8mから1mの大きさになった。1mであれば大型の鳥と認識さえるので、怪しまれない。町の近くまできたら、さらに小さくなり1cmになった。
スミンニアソ博物館に来た。深夜である。1cmなのでどこからでも侵入できる。
剥製ルームを発見。いろいろ、昔の友達っぽいのがいたけど、若干違う。
捨て子ザウルスを発見した。ステゴザウルスと書いてあるのには驚いた。
すぐに背びれを見に行く。ここに名前が書いてある。変な模様が描いてあるが、ヤマダにはカトウと認識できた。
「おおー、友よ」
数分だろうか感慨無量であった。そして、思い出の品物、借用書である。
借金を返してくれない・・・。
昔、金をせびるカトウに貸してやったヤマダである。担保もある。カトウの彼女である。
この借用書はカトウの彼女の背びれの写しである。ヨウコと書いてある。
意気消沈して、日本へ帰宅するヤマダであった。
その話をシャララーンにした。
シャララーン:「それは残念だったね」
ヤマダ:「でもいいよ。はっきりしたし。
淡い期待をしてたのがあまかっただけ」
シャララーン:「その借用書を見せて?」
ヤマダ:「はい」
んー、どっかで見たことある。
シャララーン:「ヨウコさん、知ってるよ」
ヤマダ:「博物館ですかね?」
シャララーンの言うように海まで来てしまった。
シャララーンに摑まって、高速にグングン潜っていく。
マリアナ海溝である。
2300m潜ったころだろうか、ぼんやり見える巨大。
ヤマダ:「ヨウコさん
・・・
ヨウコさん」
巨体がこっちを見た。
ヤマダ:「ヨウコさーん」
巨体がこっちに突っ込んでくる。
ヤマダの貸付金の担保が戻ってきた。
ヨウコ:「ぴーぴーぴー」
ヤマダ:「うんうん」
劇的な再会であった。ヨウコさんはココ以外には行きたくないとのこと。
ヤマダを放置して、自宅に戻ってきたシャララーンであった。




