地球観光自由行動編11
ガウス:「からくり人形に付けた拡声器で放送する。
移動機に備え付けた翻訳機で発すれば、沈静化はするだろう」
天子:【あーあー、テステス。こちらさっきまでTV出演していた天子です。
今、翻訳機を通じて喋っています】
渋谷106にいるからくり人形から、突然、大音量で天子の声が響き渡った。
天子:【ここに集まった聴衆の皆様、安心してください。
わ・れ・わ・れ・は、普通の宇宙人です】
市民A:「普通の宇宙人だって」
市民B:「TVでやっていたやつでしょ。
さっき、首相官邸に到着したって放送していた」
天子:【それでは、宇宙人紹介コーナーを始めます。
まずは、今、拡声器を付けている身長3mの人形ですが、
『闘魂ロボ勇者』キューレマです】
市民C:「ああー、あの巨人は人形か・・」
天子:【キューレマが乗っている動物は、
いまは、40mありますが、1mくらいまで小さくなれます。
『炎の勇者』伝説の聖獣セラフィムです】
トカゲが炎を吐いて自己アピールしている。
市民が固まっている。完全にビビリ。
天子:【次に、人間サイズの小さい豚ですが、
『虚言の勇者』ハンス・ソゼです】
豚がブヒブヒ言っている。臭い息で何人かの市民が失神している模様。
天子:【最後に、宙に浮いている8mのカイゼル髭6本足恐竜みたいのは、
大魔王シャダーン・ヤマダ。『魔王の勇者』です】
市民A~:「魔王だー!」
市民P~:「ぎゃー!」
これを言ったとたん、現場はさらに騒然。
ヤマダはショックを受けている。デモンストレーションで氷魔法を見せる予定は変わってしまった。
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社長:「どうしてもというなら、仕方がない。再雇用しよう。
ところで配下とはなんじゃ?」
シャララーン:「配下は15人いまして・・・」
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月の裏側に到着した牙。ヤマダ&ハンス組と同様に勝手に地球に行く。
地球が自転しているので到着地点が日本ではなさそう。
宇宙大戦艦一機と20機の宇宙戦闘機がアメリカ、ワシントンDC上空に出現したのであった。
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首相官邸で放送しているTV放送車
受付嬢:「渋谷106の騒動も沈静化した?」
司会者:「んー、沈静化というか、失神、失禁、逃走した模様です」
官邸報道官:「首相がお会いしたいそうです」
受付嬢:「いいよ」
・・・
総理:「こんにちは、ニイハオ、ハロー」
総理がかなーり遠いところから、手を振っている。
受付嬢:「日本語で大丈夫ですよ。
全宇宙観光攻略本で勉強していますから、
ちょっと遠くないですか?そっちいきますね」
受付嬢はジェットエンジンで飛んで行ってしまった。
司会者が後を追いかけて走ってくる。
総理:「ひっ」
受付嬢:「ども、お話とは何でしょうか?」
総理:「あの、あなた方は何者でしょうか?
何人いるのでしょうか?」
受付嬢:「地球より遠くの惑星から移動機で来ました。
かなり遠くです。3週間かかりました
賢者が一人、勇者が15人います。
わたしは『観光の勇者』の受付嬢です」
と言って、14mの標準サイズに戻った。首相は固まり、護衛はカクカク動いている。
ビビってんじゃねーよ、というのは無理か。




