暴風の勇者
賢者シャララーン、とんずらの勇者エビッち、七変化の勇者ジョイ、知の勇者ガウス、残り3人の勇者。
戦争が終わっていないので、虚言の勇者は候補。
そろそろ南の国に行く算段でも考えないと。南の国もあまり知り合いいないんだよなー。
ガウスに相談してみるか。
ガウス:「南の国の上空にある燃料を抽出するには飛ぶ必要がある。
魔族は魔力があるので飛ぶ事が出来る者もいる。
そんなわけで、我々には飛ぶ道具も乗り物も必要ない。
私は今点検で忙しいので行けないし、飛べません」
シャララーン:「ジョイ、変身したら飛べる?」
ジョイ:「ワイヤーアクションならできますが、高山上空はワイヤーを張れませんよ」
シャララーン:「東の国は戦争で忙しく、だれも手伝ってくれないだろうな。
まぁ、南の国でリクルートしてみるか」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから、三日かけて、ジョイ、エビッちを連れて南の国にやってきた。
移動にはシャララーンの一声でシャチ軍が手伝ったのであった。
行動の基本である聞き込みを分担して行った。
ジョイ:「コスプレ・ショップはありませんでした」
シャララーン:「おいしいラーメン屋は中央通りに三軒、確認した」
エビッち:「どのパチ屋もケチって、全然でませんね」
すでに行き詰っていた。何を聞き込むかは確認していなかったけど。
シャララーン:「しょうがない。新聞に三行広告を出してみるか」
【勇者募集。空を飛べるもの限定。時給840円+消費税。
好待遇。三食二おやつ付き。
港近くのパチ屋にいる伊勢海老までご連絡を】
一次面談はエビッちに丸投げだ。新聞広告掲載後、すぐにたくさんの応募があった。
そんなに大勢の勇者が存在するのか?時給がいいからなー。
エビッち:「はい。次の方。どぞ」
候補者A:「よろしくお願いします。勇者のホロホロ鳥です。
2mくらい飛べます」
エビッち:「この度はご縁がなかったようで・・・。
はい、次の方どうぞ」
候補者B:「よろぴこ、おなーしゃす。イーグル勇者です。
高山からの滑空ができますが、それ以上は上がれません」
エビッち:「はい。却下・・・。
はい、次の方・・・」
候補者C:「ども。南の島の現住人です。
高いとこから飛び降りることができ、みんなから勇者と呼ばれています。
よく怪我しますが、まだ現役です」
エビッち:「はい。
次・・・」
(などなぞ、段々、面倒になってきたようだ、面談が雑。しばらく応募者が来なかったけど、)
候補者P:「あのー。まだこの新聞広告は有効でしょうか?」
エビッち:「はい。まだ、空きがありますよ(採用枠1だけど)」
候補者P:「勇者ではありませんが、空を自由に飛べます。
魔法とは違うが風の操作ができます。
ヤツデの葉で仰ぐと大風が発生します」
エビッち:「おおー。見込みがある。
特技はイイ感じ。ちょっとココで待っていてください」
・・・・
シャララーン:「二次面談、おめでとう。
雇用主のシャララーンだ」
候補者P:「カラスの天子と言います」
シャララーン:「特技を見せてくれ」
烏天狗の天子:「はい」
ヤツデの葉を仰ぐと確かに風が出ている。高速に全力で仰ぐと強めの風が出ている。
強風ってこれ?強弱の比較すると、まぁ、強風だね。
シャララーン:「よし。合格だ。
『暴風の勇者』の称号を与えよう」
烏天狗の天子:「ありがとうございます。
で、バイトの内容は何でしょうか?」
シャララーン:「高山の上空にある雲から液体(燃料)を集めてきてほしい。
集まったら、ボーナスをはずむぞ」
天子:「いつから始めますか?
まずは高山のところに拠点を構えるべきかと」
シャララーン:「そうだね。後は、エビッち、よろしく。計画策定および拠点建設。
天子、必要なものがあったらジョイに言ってくれ。
終わったら呼んでね。ラーメン屋にいるから・・・」
天子:「はい」
エビッち、ジョイ:「わかりました」




