目覚め
目を覚ますと見慣れない白い天井が広がっていた。
起き上がろうとすると全身が軋むような音を上げ、激痛が走った。
「痛ってぇーー」と大声を上げて叫んだ。
起き上がれないので痛みを堪えつつ寝転んでいると突然あの後の事がフラッシュバックしてきた。
「なんだよこれ、全部俺がやったのか」
記憶の俺は全身に雷を纏いながら敵兵を蹂躙していた。
敵が動いていないと言うより動けないほど速く動いているせいか、進んでいるだけで敵が死んでいく。
頭の中が混沌としてる中、突然女性が俺の名前を呼んできた。
「空也さん、目が覚めたんですね」
「3日も眠りっぱなしだったので心配しましたよ」
ナース姿の女性が部屋に入ってきた。
「あの、ここって何処ですか?」
「ここは~、帝都大病院ですよ~」
ナース服の女性が軽い感じで言ってきた。
いや、ちょっと待て帝都大病院ってこんなに綺麗だったか、そもそも個室なんて空きがあったのか?と疑問が湧き出てきた。
「ここほんとに帝都大病院なんですよね?」
「そうですよ~」
即答だった。
「じゃあなんでこんなに綺麗って言うか、個室なんですか?」
「病院なんだから綺麗に決まってるじゃないですか~」
「そもそもここは~、個室と言っても陛下専用のVIPルームなんですよ~」
「へっ?」
思わず変な声が出てしまった。
「なんで俺がVIPルームにいるんですか?」
「なんでも~、陛下が特別に許可してくれたみたいですよ~」
「何でっ?」
「なんかすごいことでもされたんじゃないんですか~」
覚えはあったが言える訳もなく、空也は下唇を険しい顔で噛んだ。
「起きてすぐで申し訳ないんですけど~、お客さんがいるので~、この場で面会して貰っても良いですか~?」
「いきなりですね」
少し緊張感を持って答えた。
「人が人なので~、なるべく早く会わせるよう言われてるんですよ~」
「誰なんですか?」
「なんとなんと~、陛下なんですよ~」
幾らか候補を絞ってはいたがまさか、陛下だったとは。
「今も丁度いらっしゃるので~、入ってもらっても大丈夫ですか~?」
「今いるんですか?」
驚いて、ばっ!と時計を探してみると、短針が6時を指していた。
「分かりました、入ってもらってください」
「じゃあ~、今から呼んできますね~」
~3分後~
「入りますよ~」
ドアをノックする音と一緒にさっきのナースの声が聞こえてきた。