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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
95/150

第95回 登龍門でございます


 雨は降りだしましたものの、まだあちらこちらの木の葉にぽつんぽつんと音を立てるに留まっております。

 ですが、わたくし念のため足を速めまして、上流へと向かいました。

 本日の川釣り、最大のイベントが残っております。


「よっこら執事でございます。到着いたしました。お嬢様、こちらが川の主様ご在宅の、滝壺でございます」


 滝は上の崖から階段状に、かつ左右にくねって流れ落ちております。

 滝壺は、その水量の割に広々としております。

 実はこちら、わたくしが主様のためにちょっと掘って広げてみました。


「ありがとう、サン。私、頑張って主様を釣り上げてみせるわ」


 お嬢様はわたくしの肩車からひらりと降りられ、ごくっと喉を鳴らされてから釣り竿を握りしめられました。

 わたくしも、緊張するそぶりで肩を竦めまして、お嬢様の残り香と温もりを全力で耳から吸い込んでおります。




 お嬢様が意を決されて、釣り糸を投げ込まれました。


 ちなみに、主様はただ今体長18メートル、体重7トンくらいをマークしております。

 わたくしが夜な夜な与えておりました報酬の生肉に含まれるわたくしの魔力の影響で、それなりにビッグサイズとなっております。

 常人と並の竿ではびくともいたしません。



 ざばぁぁ。

 と、水しぶきを上げまして、主様が糸をくわえて出て参りました。


 そのままくるりと回転しますと、背中にお嬢様をひょいと乗っけまして、糸をくわえたまま滝沿いに飛び上がりました。


「きゃー! あはははは! 主様、すっごーい! サーン! 見てー! こっちよー!」


 お嬢様が上空から、ぶんぶんとお手をお振りになってこちらを見下ろされます。

 その角度からの視線、もうちょっと蔑むようなかんじでいらっしゃいましたら最高なのでございますが。


 ともあれ、お嬢様と主様がとっても仲良しになられて何よりでございます。


「主様、サンも一緒に乗せてあげられないかしら?」


 なお、わたくしはこの後ご厚意により、天空より飛来されたドラゴンライダーお嬢様のドラゴンバイツをがじがじといただきました。

動物に噛まれるのは困りものでございますが、

上にお嬢様が乗っていらっしゃいますと至福のご褒美でございます。

不思議なものでございます。


こちら、トリビアになりませんでしょうか? よろしくお願い申し上げます。

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