第81回 造園の軌跡でございます
お庭の木々も色づいて参りました。
葉っぱもちらほら落ちてゆきます。
つい1週間ほど前に植えたばかりと思っておりましたが、時の経つのは早いものでございます。
風が吹きますと葉っぱがぶわっと舞い上がりまして、わたくしの身体をほどよく覆い隠してくれます。
なにしろ、わたくしの葉っぱの服も、まさに散りかけでございますので。
しみじみ。
と、わたくし感慨に耽っておりましたが、お仕事の手を抜くわけには参りません。
この物寂しさをも活用いたしまして、お庭を次の段階に改造いたしましょう。
ちょうど、お庭の秋景色に対しまして、物足りなさを感じておりました。
地面に積もる分にはよろしいのでございますが、水面に浮かぶ風景がございません。
というわけで、川を引くことにいたしました。
まず、両足を開きます。
続きまして、地面にパンチいたします。
「そいやっさ。でございます」
そこが大地の目、いわゆる龍脈になっております。
わたくしの足元を起点に、地面がバリバリっと裂けました。
そういたしますと、裂け目にどこからともなく水がざんぶと流れ込んで参りまして、川の誕生でございます。
これぞ執事魔法――
≪執事乾坤≫!!
後は岩を並べまして岸を補強しつつ、幅を調整いたします。
侘び寂びがたっぷりの小川、完成いたしました。
木の葉もゆるりと流れますし、川魚も泳いでおります。
今度のお休みは、お嬢様に魚釣りをお楽しみいただけそうでございます。
今回、文字数が600字少々と、やや控えめとなっております。
その分、余白はやや多めになります。
日本庭園における引き算の美学というものでございますね。
決して文字をケチったとかそういうわけではございません。




