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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
58/150

第58回 劇的新生活でございます


 わたくし、執事でございます。


 執事のお仕事は、主にお屋敷の管理などでございます。


 この度、お屋敷を従来の石造りから優しい風合いの木製へと、気持ちイメチェンいたしました。



 外観は、このようになっております。

 樹齢数百年、或いは千年にも届こうかというバオバブの大樹、その悠久にして神秘なる雄姿。

 自然の形をそのまま活かしたシルエットでございます。


 幹をくり抜いた直径40メートルにも及ぶ大胆な居住スペース、もちろんバオバブ本体とよく相談し、快く許可をいただきまして負担のかからない程度に空間を開けております。


 慎ましいながらもさっぱりとした玄関、多少曲がったお茶目な靴箱もバオバブ製でございます。

 材木を組み合わせたのではなく、こちらも自然のまま、バオバブ本体にお願いいたしましてその部分をちょっと変形していただきました。


 中に入りましてすぐに見えて参りますのが丸椅子と丸テーブル、こちらがリビングルームでございます。

 それら丸い形の食卓は、木材使用量の少なさから庶民用であると言われております。

 しかしながら、こちらはイメチェンドお屋敷の形状に合わせたピッタリスタイル、かつお嬢様の、この際贅沢はしないようにという素晴らしいお達しによるものでございます。


 壁際には調理スペースもございます。

 自然界の魔法の源、マナを燃料とするマナコンロ、調理台や流し台もございます。


 上水道も完備いたしております。

 バオバブの幹には、極めて大量の水分を蓄える性質がございます。

 あとはひと言断ってから蛇口をねじ込んだだけでございます。


 壁際をそのまま進みますと、螺旋状に階段がございます。

 吹き抜けのフロアーになっておりまして、上はお嬢様のお部屋、正確にはロフトでございます。

 落下防止用の柵とお勉強机、明かり取り用の丸窓と本棚まで、バオバブにご説明いたしました図面通りにズゴゴゴと動いていただきました。


 天井には空調としてのサーキュレーターがくうるくうると回っております。


 ここまでしていただいて、バオバブは本当に役に立って下さる樹木でございます。

 現地の人々が神の木と崇めるのも理解できますし、わたくしもこれからはバオバブ様とお呼びいたします。


 ちなみに、わたくしの居住スペースは屋上、枝の上でございます。

 両手を広げてピシッと立っておりますと、ハゲワシやカラスが飛んで来てくれます。

お近くに大樹が見える所にお住まいの方々は、

どうぞ大切になさってあげて下さい。

ひょっとしますと、何ということでしょう的にいいことがあるかも知れませんからね。


よろしくお願いします、ローズマリーさん(高さ10cm)。

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