表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
37/150

第37回 哀しみに染まりし漆黒の堕天使でございます


 この王立魔法学校は、お昼休みの後で、生徒たちによるお掃除タイムがございます。

 王侯貴族の子女も多く通う学校としましては、なかなか珍しいルールと存じます。


 わたくし、お屋敷のほうと並行いたしまして学校のお仕事もございますが、1週間後までの授業のご用意は給食がてら済ませてございます。

 ので現在、わたくし、暇を持て余しております。

 お掃除を頑張る皆様へ、チアガールの恰好でエールをお送りいたしましてもよろしいのですが、ここは執事らしく、お掃除をお手伝いいたしましょう。


 指を立てまして、意識を集中いたします。

 指先に初等部の校舎中の埃が集まって参りました。

 真っ黒の塊を目にした生徒の方々が走って来まして、おおーと歓声を上げられました。

 人だかりの後ろで、お嬢様がふふーんとしたり顔をなさっておられます。

 ウルトラ可愛らしゅうございましたので、わたくしも多少格好つけたくなりました。


「ぬうぅん! でございます」


 裂爪れっそう陰惨いんさんともりし闇夜やみよこごり、暗黒あんこくいかづちまといて塵芥じんかいすべし。


「はぁっ! でございます」


 要約いたしますと、指先の埃の塊がバリッと静電気を発しまして、周りの皆様の制服の汚れも吸着いたしました。

 それを窓からぴょいっと浮かせまして、指パッチンで時空の扉を開き中に片づけます。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ洗濯ルシフェル≫!!


 まあ、職員室前の廊下はほぼ手を付けるまでもございませんでした。


 大はしゃぎの皆様の意識の隙を突きまして、向こうにいらっしゃるお嬢様へお手紙を滑らせます。




 『放課後、体育館の裏でお待ちいたしております。 貴女の執事より』

吾が天地の翼、其の狭間に揺蕩うは龍の息吹か、或いは怨霊の蠢きか。

矮小にして果敢なる神木の仔よ、邪を打ち払い闇を薙げ。


↓意訳でございます。







何やら背中がかゆくなって参りました。

孫の手がございますので掻きましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ