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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
33/150

第33回 事後報告でございます


「はい。皆様まとめて、プレゼント用に捕縛おつつみしまして憲兵さんにお中元を」


『ならば、ひとまずはあちらに任せるとしよう――しかし、囮捜査のようで娘には悪いと思っている』


「そのお言葉、是非ともお嬢様に、ご対面の上で直接おっしゃっていただけましたら」


『正論で嫌味を言われては一言もない。お前にも、苦労を掛ける』


「わたくしの辞書、お嬢様の項目に苦労の文字はございませんし、苦労の項目にお嬢様の文字もございません。ところでわたくし、良いことを思いつきましてございます。旦那様、分身なされてどちらかをお屋敷に置かれてはいかがでしょう。水晶越しのわたくしのように、こう、反復横跳びとかで」


 通話が切られました。

 まあ用件は済んでおりますので、旦那様の私室からお嬢様のお部屋へと向かいます。


 お嬢様は無事に保護いたしました後、お屋敷に戻っておられます。

 学校にはご帰宅の旨、旦那様経由で校長先生にご連絡が行っております。

 しばらく学校もお休みなさるかとも思われましたが、


「ちゃんと今日も行くわ。どこもケガなんかしてないんだから」


 お嬢様ご自身のご希望でございますので、わたくしに否やはございません。

 ただし、登校前に健康診断はさせていただきます。

 本来、お嬢様の健康診断は当直の医師の役目でございます。

 が、なにぶん、お屋敷のおじいちゃん先生はいま、ゲートボール全国大会の個人決勝戦に出場しております。

 そのため、お嬢様に『お洋服脱ぎましょうねー』ができるのは、わたくしだけでございます。


 しかし、今朝は肌寒いので、制服のブレザーはお召しになられて大丈夫でございます。

 わたくし、視覚と聴覚には自信がございますし、医療行為を冒涜するつもりはございませんので、普通に診察いたします。

 ただ、朝の忙しい時間でございましたので、白衣の下に布をまとうのを忘れました。

わたくし、一介の執事でございます。

特にお嬢様のお怪我やご病気の際、私情を排しまして冷静に観察や処置に

当たらせていただきます。


ごくごく当然のことでございますが、

何故かあまりご信用いただいていない気がいたします。

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