第25回 舟遊びでございます
近隣の村々をあらかた回りまして、大量の素材は全て配り終えることができました。
普段は領内より税金をいただいております分、こういうときの配給は無償でございます。
オオウシカバサイには捨てるところがございません。
建材や工芸品、食器や衣服などの生活全般に関わる道具の材料として役に立ってくれます。
お嬢様もお裾分けという名目で、手作りのソーセージをたくさんプレゼントなさっておいででした。
「私とトモミで作ったの。弾力すごいよ、これ!」
お嬢様は大抵、お年寄りや子供たちには大人気でいらっしゃいます。
今回も、お土産と称して地元のお菓子や民芸品のおもちゃをたんといただき、村の子供と一緒に縄跳びや『大激闘スラッシュファイティングドーム』というパーティーゲームを楽しんでおられました。
その帰りのことでございます。
「きゃ……」
行きには浅瀬の川が、ただいまどんぶらどんぶらと増水しておりまして。
お嬢様はびっくりなされてわたくしの腕にしがみ付かれました。
川の水がちょっと赤く変色して気持ち更に増水しました。
この辺りはよいお天気でございますが、上流のほうで降った雨が鉄砲水を起こすことも稀によくございます。
こういう事態を見越しまして、お嬢様の外出の際は、護衛を申し出ております。
今回は荷車という名の箱もございますので、お二方にはそれにお乗りいただき、わたくしが後部でスクリューのように回転いたしましょう。
これぞ執事魔法――
≪執事客船≫!!
以下、作者の他の作品より抜粋いたしております。
この物語とは特に関係ございませんので、読み飛ばしていただいても
問題はございませんので悪しからずお願い申し上げます。
――『大激闘スラッシュファイティングドーム』――
エアホッケーとパチンコを足したような、2人から4人まで遊べるパーティーゲーム。
台がドーム型になっていて、アームで打ち出したコイン大の円盤はかならず、四方あるどこかのゴールに落ちる仕組みになっている。
このゲーム、いちばんの特徴は『スラッシュ』と呼ばれる仕切り板。
自陣の定められたところに差しこんで、そこに当たった円盤の軌道を変えることが出来る。
自分のゴールを守るように差してもいいし、打ち出した円盤が思いもよらない角度に跳ね返って対戦相手を翻弄するように仕向けてもいい。
台のかたちと合わさって、相手からは自分がどこに『スラッシュした』のかがわからないようになっている。
そしてそれが駆け引きを生むという、超! エキサイティン! な遊具だ。




