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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
23/150

第23回 夏の夜の夢でございます


 お屋敷のほうから、お召し物を替えられたお嬢様とトモミ様がお戻りになられました。

 お浴衣でいらっしゃいます。

 それぞれ薄いラベンダー色と桃色の、何とも涼しげな装いでいらっしゃいます。

 おぐしも満月のように結い上げられ、後光が差さんばかりの尊さに溢れておいででいらっしゃいます。

 わたくし、素晴らしい目の保養をいただき、ビタミンO+を十分に補給できました。

 ビタミンO、カルニチンではございません。O+でございます。

 お嬢様を愛でることによって体内で合成される執事パワーの素、ビタミンO+おじょうさまでございます。

 力がみなぎり、全身がまばゆく光り輝いて参りました。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ合成フォース≫!!


 お嬢様からの後光とわたくしからの発光によりほどよく裸ネクタイをごまかせましたところで、そろそろ仕掛け花火が打ち上がります。

 原材料はお屋敷の埃の塊、獲物のオオウシカバサイから生じました灰汁や老廃物などより抽出いたしましたミネラルでございます。

 これらが炎色反応を繰り返しまして、


 ドーン。……パラパラパラ。


 と、七色に移り変わりながら大輪の花で夜空を彩ってゆきます。

 お嬢様もトモミ様も、お顔を七色に照らされながら見入っていらっしゃいます。

 わたくしはその間お二人の後ろに回りまして、視界の妨げにならないよう、また裸革靴をお目に入れないよう控えております。


 芝地に腰を下ろして寄り添う少女たちの背後に真顔で立つ全裸の成人男性。

 今夜の花火も大層美しゅうございます。



 わたくしが一足お先にお二人のベッドメイクをいたしております間、お二人はまだお庭でお話をされておいででした。

 時折、鈴虫の声に混じって、『ライバル』とか『負けないからね』とか、お互いに切磋琢磨なさっていらっしゃるご様子でございました。

最近は朝晩も涼しくなって参りました。

皆様もお休みの際は寝冷えなどなさらぬよう、ご注意下さいませ。

布1枚でもおかけになると効果は段違いでございます。


わたくしも、就寝時は大きめのハンケチーフを首元に装着いたします。

ただ、やっぱり暑いので、あとは何も着用いたしませんが。

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