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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
21/150

第21回 わたくしの生い立ちでございます (下)


 仕留めました動物は、直ちに解体の準備にかかります。

 本来、このような超大型の獲物となりますと、近隣にお住まいの方々にもご協力をお願い申し上げるものでございます。

 が、なにぶん、この辺りは人跡のない未開の台地でございます。

 そのため、この体重が40トンを超える獲物を綺麗に解体して余さず持ち帰り利用できるのは、わたくしだけでございます。


 すでに、血抜きはおこなっております。

 血液もソーセージの材料となりますので懐から取り出しましたタンクに移し、1滴たりとも無駄にはいたしません。

 その後は毛皮を手刀で丁寧に脱がせて内臓を取り出し、ふーふーして臭みを飛ばします。

 それから、この国のカットチャートに従いまして、手刀で肉を切り分けて参ります。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ聖剣カリバー≫!!


 その間、お嬢様とトモミ様はじっとお黙りになって、わたくしの作業を見守っておいででした。

 わたくしの故郷では、動物の屠畜や解体の見学は14歳くらいでするところもございますので、お二方にはまだお早いことでございましょう。

 ですが、お嬢様もトモミ様も、気持ち悪がられたり失神なさったりすることもなく、生き物の命が食卓に並んでゆく過程を真剣にご覧になっていました。


 お嬢様は、とても真っ直ぐにご成長なさっています。

 素晴らしいご友人にも恵まれました。

 一人ぼっちで、どうしていいかも分からず、ただただ泣いていたあの日のお嬢様は、もはや影すらありません。


 わたくし、お嬢様にお仕えできて、自身の孤独なる魂も救われましてございます。


「それでは、一旦お屋敷に戻りましょう。内臓や希少部位のお肉はソーセージには向きませんので、こちらだけお昼のバーベキューにしてしまいましょうか」


 歓声が上がりまして、なによりでございます。

 わたくしも、ゴツイ髭をひゅんと引っ込めて、チアガールの服装から元に着替えました。

わたくしの、星座、でございますか。

この国の星座はわたくしの故郷のものとは変わっておりまして、

わたくし、こちらではツインテールドダイシャリンメガネリクガメ座、となっております。

しかし……何故そのようなことをお気になさるのでしょう。

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