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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
16/150

第16回 熱闘大一番でございます


「ジョー! 久しぶりー!」


「あっ、トモミー! 元気してたー!?」


 お嬢様のお部屋で、お二人が両手を取り合ってくるくる回っておられます。

 23回転半ほどされたところで、お嬢様は浮かないお顔をされました。


 実は、お嬢様はまだ宿題が終わっておられません。

 先ほどまで、お部屋にこもられて頑張っておいででしたが、勉学とは意地悪な神様を奉っているものでございます。


「でも大丈夫よ。私、ジョーのために色々な服を持ってきたの。ほら、これ。はっぴ!」


 トモミ様が取り出されたのは、お祭りのときに着る威勢のよさそうな服でございます。

 そのはっぴを、トモミ様はサマーワンピースの上にふぁさっと羽織られました。


「これでジョーのこと、応援してあげる! 頑張れ、頑張れ!」


 お嬢様もにっこりとうなずかれまして、微笑ましい光景でございます。

 わたくし、差し出がましくも、お手伝いいたします。

 お嬢様のお部屋の天井裏の板を1枚そっと外し、お嬢様の背後へ音もなく着地しひざまずきましてございます。


 わたくし、そのままスタイリッシュにスピンしながら立ち上がり、激しく七色に発光してスーツ上下を繊維レベルで分解、お嬢様のお部屋で一瞬全裸になりましたのち、ほどきました繊維を再構築いたしまして全く違う格好に早着替え、人差し指と中指を揃えて顔の横に持って来まして、チアガールの服装にユニフォームチェンジ完了でございます。

 では、わたくしも同じように応援いたします。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ鼓舞ワッショイ≫!!


 この動作が、お嬢様の無意識下に働きかけ、集中力を増大させることができます。


 お嬢様の後ろで可憐に手足を振る少女と優雅に高速回転する成人男性。


 本日もマロニエの下に、蝉が鳴いております。

この応援魔法、実際にご所望の読者の方々もいらっしゃるかと存じます。


強化版の魔法をご用意いたしますので、

これより全身の筋肉を半端なくバルクアップさせて参ります。

ユニフォームは全く同じ服装、全く同じサイズでございますのでご安心下さい。

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