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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
148/150

第148回 スキー山荘殺人事件でございます (中)


 わたくしの死亡推定時刻はおよそ午前2時頃と思われます。

 その間、皆様はどのようにお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか。


「わたしは、サンにお休みを言った後、トモミと一緒にお部屋に入ったわ。トモミもそうよ。寝てただけよ」


「そうね。私とジョーはその時間、お互いに手を繋いでベッドで寝ていたから、アリバイはあるはずだわ」


 お嬢様とトモミ様はそうお答えになり、ヌパン様のほうをちらりと覗き込まれました。


「まさか、ヌパンさんが……」


「とんでもない! 私ではありませんよ! だって私にも、アリバイはあるんですから」


 ヌパン様はちょっとおどけて、両手を振られました。


「私の手首をご覧下さい。縄の跡がありますね。これは昨晩、婦女子のお休みになる建物で身の潔白を図るべく、お二方にお願いして柱に縛り付けて頂いた跡です。あいにくその柱からは犯行現場もお二方のお部屋も見えませんでしたしお手洗いにも行けませんでしたが、とにかく私は犯人ではありません」


 しばらく皆様は押し黙っておられましたが、やがてお嬢様が世界三大紅葉もかくやといわんばかりの紅いお口を開かれました。


「もう、我慢できないわ。これ以上、殺人犯と同じ所にはいられないもの。わたし、お部屋に戻るわ」


 お嬢様はお一人でお部屋に戻られドアを閉められました。

 すぐにお部屋から悲鳴が上がりました。


「きゃー!」


 慌てて駆け付けドアを開けますと、お嬢様がお倒れになっておられました。

 抱き起こされるトモミ様にぷるぷるとお手を伸ばされましたが、そのままがくっとなられました。

 朝食を召し上がっていないため、空腹の余り力尽きてしまわれたようです。

謎が謎を呼ぶ第二の事件でございます。

非常にシンプルでございます上に、ここまででもう答えは出ております。

どうぞ深くお考えになりませんよう。

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