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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
138/150

第138回 お嬢様、お引越しのお時間でございます


 そろそろ夕方になって参りました。

 遠くでカラスが鳴いております。

 カラスが鳴くからかーえろ、とわたくしの故郷に伝わる歌もございます。


 しかしお屋敷は、綺麗さっぱりとございません。


「ど、どうしよう。わたしが、変なこと言ったから、バオバブ様が……」


 お嬢様はお顔を青くされました。

 伝説の宝玉よりも、わたくしそちらの青色の方が美しいと思われます。

 まあそのままではお嬢様の精神衛生上よろしくありませんので、僭越ながらフォローを入れさせて頂きます。


「お嬢様。どうかお悲しみにはなりませんよう。バオバブ様は老木でございました。あれは老木における世代交代のワンシーン、自然の摂理でございます。わたくし、既に次世代の種をお預かりいたしております。次のバオバブ様がお育ちになりましたら、またお屋敷をご用意いたしましょう」


 そう申し上げるわたくしの頭上に、お嬢様のお部屋にございました、お嬢様の持ち物がすとととっと降って来ました。

 わたくしが、執事流転送魔法の応用で取り寄せたものでございます。


 上から順に、


 洋服ダンス、

 鏡台、

 鉢植え、

 学習机の横のチェスト、

 通学カバン、

 食べかけのお菓子、

 ご使用済みのちり紙、

 練習用の魔法剣、


 となっております。

 雪で濡らすといけませんので、全てわたくしの頭で支えております。


 そのまま、くるりとトモミ様の方へ向き直りまして、改まりまして頭を下げます。


「トモミ様。お嬢様のお屋敷、完成には春までかかります。つきましては、それまでお嬢様をトモミ様のお部屋にてお預かり頂きたく、お願い申し上げます」

ご使用済みのちり紙は適切に処分すべく、わたくしそっと自分のポケットに入れておきました。

適切かつ処分でございますので、もちろん大丈夫でございます。

当然、合法でございます。

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