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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
133/150

第133回 出演依頼でございます


 わたくし、本日は朝から大忙しでございます。


 来週、この辺りでは古くから伝わっております鬼祭りがございます。

 怪物の仮装をして家々を回り、「泣く子はいねぇかー。悪い子はいねぇかー」と子供を脅かして健康を祈願する、わたくしの故郷にも似たような風習のあるイベントでございます。


 その怪物役として、お庭の滝壺で冬眠中であります川の主様にお願いをしようと企んでおります。


 交渉用に、大量の炒り豆をご用意する必要がございます。

 炒り豆は、鬼祭りで家内に撒いて安全と繁栄を祈願するのにも使われます。


 大量の炒り豆は、滝壺まで大きな布に包んで運ぶ必要がございます。


 純白の雪原となっておりますお庭に、大きな布をばさぁっと広げるべく、大ぶりのハンケチーフをちくちくちくちくと縫い合せる必要がございます。

 ハンケチーフは後で再使用いたしますので、糸はほどきやすいよう特別な素材を使用しております。

 納豆でございます。


 そこそこたくさんの納豆の糸を準備する関係上、そこそこたくさんの納豆を準備する必要がございます。


 つまり、わたくしは納豆を作るところからスタートとなっております。


 お皿にドームカバーをかぶせて、1・2・3・ハイ。で、ねばぁぁと完成いたします。


 が、その納豆、完成した端からお嬢様がお召し上がりになります。

 納豆はお身体によい食品でございますからね。


 が、お嬢様は納豆を召し上がる作法があまりお上手ではなく、お身体の周囲を納豆の糸が、何やらカッコイイオーラのように漂いつつ取り巻き始めました。

 そのご様子は新たな力に目覚めたヒロインさながらでございますが、しばらくたちますとお嬢様が蚕の繭のようになりましたので、ほどくところからスタートでございます。

ほどく前に、醤油をちらりとたらします。

醤油と納豆の相性は最高でございますからね。

そこにくるまれたお嬢様。


わたくしの完全栄養食でございます。

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