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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
132/150

第132回 受け継がれし希望でございます


 バオバブ様の上階、壁沿いの螺旋階段を上りました先の、吹き抜けのロフトがお嬢様のお部屋となっております。

 今夜はそちらでお嬢様とトモミ様がお休みになっておられます。


 こちらのお嬢様のお部屋と、転移先のトモミ様のお部屋を、かわりばんこにお使いになり、お二人は必ずご一緒にお休みになります。

 とても仲のいい姉妹のようで、おそばに仕えているだけでわたくしも微笑ましく存じます。


 で、わたくしはいつものようににこにこと、バオバブ様1階の小さなリビングルームにて、顔面を床にめり込ませて背すじをぴんと伸ばし垂直に突き刺さっております。

 この様子を、事情をご存じない方がご覧になりましたらば、


『ああ、この執事はまたお嬢様のスリッパ越しで使用済みの床板をこっそりくんかくんかしているんだな仕方のないやつめ今回だけだぞ』


 と、誤解されるやも知れません。

 そのお気遣いは大変ありがたく存じますので、お言葉に甘えまして後程ゆっくりくんかくんかいたします。


 が、今回はそうではなく、バオバブ様の樹木診断をいたしております。

 この冬は例年よりも寒さが厳しいようで、暖かい地方を故郷にお持ちのバオバブ様には堪えることでございましょう。


 確認いたしましたところ、樹齢のこともありますがやはり弱っていらっしゃるご様子で。

 わたくしが魔力の供給をテレパシーで申し出ましたが、寿命だしええよぉそれよりお嬢様を大事にしてあげぇね、とのお答えでございました。

 そのお気遣いは大変ありがたく存じますので、お言葉に甘えまして後程ゆっくりくんかくんかいたします。




 バオバブ様は、いつもの果実をころんと落とされました。

 それを埋めると春に芽を出します。

 こうして世代は移り変わってゆきます。

わたくし、毎晩のように顔面を床にうずめて、リビングルーム中を顔型まみれにすることもございます。

もちろん、その後でちゃんと元通りに戻しておりますので、どうかご安心下さいませ。

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