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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
131/150

第131回 かまくらでございます


 雪のお城の片隅にご用意いたしております、空間転移の魔法陣からお嬢様とトモミ様がひょっこり出て来られました。


 最近は生活のパターンも整ってきたご様子でございます。

 午前中に、こちらの魔法陣で1000キロメートル以上離れたトモミ様のお部屋へ転移されまして、そちらで宿題をなさいます。

 お昼ごろになりますと、わたくしが七輪を持ち出しまして炭火焼きしているものをパタパタと煽りまして、匂いを魔法陣に送ります。


 そうしますといい匂いにつられましてお嬢様とトモミ様がやって来られる、という寸法でございます。


 ちなみに、今回は執事庫に貯蔵しておりました秋刀魚でございます。




 午後からは、この雪のお城で魔法の練習をなさいます。

 お嬢様は、特に熱心に取り組まれておられます。

 魔法剣によるお掃除魔法もそうでございますが、ここは空間が広く取ってありますので、もうちょっと規模の大きい魔法も試してみたくなるのは人情でございます。


「トモミと協力して、このお城をもっと暖めようと思うの。そしたら、身体も動きやすくなるでしょ?」


 お嬢様がトモミ様と両のお手を合わされまして、魔力を練り合わせ始められました。

 お二人の間に、暖房器具のような暖かい光の球がぼんやりと生まれましたが……


 なにぶん、このお城は雪でございますので、天井がずずいと下がって来ました。


「お嬢様。その練習は屋外になさいましょう。天井の修繕に関しましては、わたくしがちゃちゃっといたしますのでご安心下さいませ」


 そう申し上げるや、わたくしはジャンプして天井を突き破りますと、屋根の上からとんとんと2、3回踏み固めました。


 雪はぎゅぎゅっと圧縮されまして、シェルターのようなドームとなりました。

 その分サイズが6畳間くらいになりましたが、これはこれで風情のあるものと存じます。

こうなりますと、わたくしの七輪がここぞとばかりに火を噴きます(比喩)。

ただ、換気のため足元に魔法陣がございますので、いい匂いは全てあっちに行ってしまいます。

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