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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
129/150

第129回 雪だるまでございます


 いまはまだ冬でございますが、春に備えて地面の下では、球根や花の種が眠っております。

 わたくしも庭仕事の一環といたしまして、時折その様子を確認しております。


 本日も、凍結した地面の奥深くまで潜りまして、花壇に埋もれる種たちと共に来たるべき芽吹きの時を待ち望んでおりましたところ、


「サンー! ちょっと来てー!」


 お嬢様からのお呼びが掛かりました。

 どうやら、わたくしに一足早く春が参りましたようで。


「はっ。お嬢様。お呼びでございましょうか」


 お嬢様のお足元、雪のお城の床からボゴォと顔だけ出して参上いたしました。


「ええ。見て欲しいの。わたしね、新しい魔法剣が出来たのよ!」


 お嬢様はとても嬉しそうに、くるくる回りながら練習用の竹光を振り回されました。

 剣の先に魔力が集中されまして、周囲の雪がまとまっていきます。


「ほら! 雪玉!」


 お嬢様は先端にともった小さな雪玉の重さに耐えかねられ、すぐにぼとりと置かれました。

 床にはすでに、いくつもの雪玉が転がっておりました。


「大変素晴らしいことと存じます。お嬢様、よくここまで頑張られました。いまは小さい雪玉でございましょうが、たとえばあらかじめ剣先を床に近付けておきますと、もっと大きな玉が作れるかも知れませんね」


 わたくしの愚案を取り入れていただき、お嬢様は早速実践なさいました。


 雪玉は見る見る大きくなっていきまして――


 途中でわたくしがその中にダイビングいたしまして、見事、雪像風わたくしの完成でございます。

わたくしイン雪ではございます。

が、今なら更に、頭が下になっております。


顔面に血液がたまりますが、とりあえずいつものように血の気を抜きまして事なきを得ます。

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