表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
128/150

第128回 雪女の伝説でございます


 雪のお城は領内でたちまち話題となりまして、多くの領民の方々にお越しいただきました。

 お嬢様は入場料として現金は徴収なさいませんでしたが、代わりに……


「雪玉を1人1個、持って来て下さい。それが入場料となります。大きさは自由です。小さな子供やお年寄りは無理のない大きさにしていただいて結構です」


 大変素晴らしいアイディアでいらっしゃいます。

 わたくしの故郷にも、新年の城郭の一般開放において、入場料を現金ではなく石で持ってくるようにさせた例もございます。

 手軽な大きさで気軽に持ってくることが出来るため領民との親睦も深めやすく、石自体は石垣の材料に使えるという、一石二鳥のイベントだと記憶いたしております。


「じゃあよーい……スタート!」


 まあお嬢様は子供たちと雪合戦を始められましたが。


 さて。

 貴族としてのお勤めはご無事に果たされておいでですが、お嬢様はこの冬休みが始まりましてから、宿題をちっともなさっていません。

 今回の雪のお城も、魔法の練習用にとご用意いたしましたが、お嬢様は中でトモミ様とお餅をこっそり焼いて召し上がっておられたりしています。

 お勤めをきちんとなさっておられる関係上、強く申し上げるわけにも参りませんね。


 そこで、今回は情に訴えることといたします。

 まず、わたくしの体温をマイナス60度ほどに下げます。

 それから水をかぶりましてカチカチに凍結いたします。

 その姿で、夕食後にお嬢様のもとにお伺いいたします。


「カチカチ。お嬢様。わたくしは山の精霊と約束をいたしておりました。お嬢様が宿題を欠かさずなさる代わりに雪のお城を使ってもいいと。カチカチ。しかしお嬢様は宿題をなさらないためこのように罰が当たりました。どうかこれからはお心を改め、毎日こつこつ宿題をなさって下さいませ。ぐふっ。カチーン」


 オベリスクに閉じ込められた氷像に必死に謝られるお嬢様と、それを眺めながらのんびりお茶を召し上がるトモミ様。

 静と動の構図でございます。

体温を550度くらいに上げればすぐに氷は融けます。

ただ服は燃えつきますが、それはいつものことでございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ