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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
120/150

第120回 枕元の靴下でございます


(わたくし、サンタ執事でございます)


(ただいま、日付をまたいだところでございます)


(エヴァーウッド本家のお屋敷には、それはご立派な煙突がございまして、わたくしそのてっぺんに立っております)


(雪がどかどかと降っておりまして、手元の執事計によりますと気温は氷点下3度となっております)


(風も出ておりますので、体感温度はもう5度ほど低く感じられます。その上外は真っ暗でございまして、煙突から下は屋根も見えません)


(ですが、ご心配には及びません。わたくしの顔面の毛細血管が拡張いたしまして、発熱と同時に赤外線を感知いたします。これぞ執事魔法――)


執事しつじ赤鼻トナカイ≫!!




 屋内に入りましたので、頭脳に直接語り掛けることは終了いたします。

 後はいつも通りの執事をお届けいたしております。


 お嬢様とトモミ様は、トモミ様のお部屋にてぐっすりモードでいらっしゃいます。


 お屋敷の中も真っ暗でございますが、そこは暗視魔法のなせる業にて安心でござ……

 ただいま、不適切なさむーい表現がございましたことをお詫び申し上げます。


 お部屋のドアノブをちょんちょんと突っつきまして、微細な振動によりこっそり開錠させていただきます。

 更には大きな白い袋をよっこら執事とお部屋に担ぎ入れまして、おもむろに顔面を袋に突っ込みます。

 赤外線の照射で袋の中身に活力を与えつつ、取り違えのないよう確認いたしております。


 リボンを掛けた、鉢植えの植物でございます。

 一年間よく頑張られたお二方に、わたくしからのささやかなプレゼントでございます。


 サイドテーブルに置く際、二通のお手紙を発見いたしました。

『サンタさん』という精霊への感謝のお言葉と、小さな飴玉が添えてあります。


 どうやら、わたくしが逆にプレゼントを頂いてしまったようでございます。


 感激のあまり、音を立てないよう袋に顔面を突っ込むや、白い袋が赤く染まったところで退出に成功し事なきを得ました。

それからこのあたりでは鮮血のサンタさんという、なにやらブラックな噂が立ったとか立たないとか小耳にはさみましたが、本編とは一切関係ございませんのでよろしくお願いいたします。

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