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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
115/150

第115回 遥かなる旅路でございます


 エヴァーウッド領は、王都を挟んでこちらのお向かいにございます。

 広々とした森林地帯を開拓して作られた町と畑、牧草地帯の美しい、とても心安らげるところでございます。


 わたくしは、空間転移魔法で一刻も早くトモミ様の元まで参りましょうか、と申し上げましたが、お嬢様は馬車でゆっくり向かわれることをご希望になりました。


「トモミには早く会いたいけど……。あっちの綺麗な景色も見たいし、こっちの人たちにご挨拶もしておきたいし。……サンに無理はさせられないし」


 最後のお一言は、聞こえなかった振りをいたしておきました。

 一般の空間転移魔法は莫大な魔力を消費いたしますがわたくしは連発しても平気でございますし、わたくし独自の空間転移は省エネでございます。


 しかしながら、お嬢様のお優しいお心に沿いまして、馬車をご用立ていたしましょう。

 懐より取り出しまするは最近入荷いたしました、おニューの車軸でございます。

 後はそれにこう、よっこいしょと巻き付きまして、でんぐり返しの要領でいきますと……


 馬車の車輪、完成でございます。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ年輪クーヘン≫!!




 エヴァーウッド領に入って少しいたしますと、年末行事の一つであります、聖誕祭の準備を進める家が目立って参りました。

 聖誕祭は王国全土で催されますが、地域によって独自性がございまして、なかなかユニークなものになっております。

 こちらでは騎士団のパレードも見られ、派手ではございませんがとても勇壮で活気のあるお祭りになります。


 が。


「何だか、物々しいわね」


 実戦用の装備を携える姿もちらほらとありまして、大気中のマナもきな臭く感じます。


 これはもしや……


「お嬢様。今年はどうやらリアリティーのある演出になりそうでございますね」


 封印されし魔王か何かが復活しそうな感じでございます。

田舎のおばあちゃんがご使用になります、手押しの一輪車。

あれもいわば、半分わたくしでございます。

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