表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
11/150

第11回 呪われし運命でございます (下)


 すっかり遅いお時間になりました。

 宴もお開きでございます。

 お嬢様は、わたくしの背中におかけになってすぐ、横になられてお休みになりました。

 わたくし、あまり激しく振動いたしませんよう、尺取り虫のようにゆっくりと帰路についております。

 乗馬の魔法の応用技――


執事しつじ揺籠ハンモック≫……


 このゆったりとした揺れが1/fゆらぎを発生させ、熟睡と疲労回復に効果があります。

 お嬢様の超絶寒~~~~いダジャレにより、知らず消費なされた魔力と体力も、翌朝には元気いっぱいでございます。


 お嬢様をベッドにお運びしましてから、わたくしにはもうひと仕事残っております。

 先ほど巻き取って捕まえました、氷点下50度の寒気の渦でございます。

 応接室から拝借いたしました、ワイングラスに入っております。

 わたくしがチーズとともにいただいてもよろしいのですが、それでは芸がございません。


 玄関ホールの吹き抜けに、ワイングラスを重ねたグラスタワーをご用意いたしました。

 それを針金で固定いたしまして、上から吊るします。


 それから、こちらの寒気の渦、わたくしの人差し指の先にちょいと浮かべまして、手首を軽くひねります。

 コリッと軽快な音を立ててしまり、ビー玉のように凝縮されました。

 キラキラと、青白い幻燈のような光を淡く放っております。

 目にも楽しいものでございますが、これはグラスタワーのてっぺんにコロンと入れておきましょう。


 ちょっとずつ溶けながら冷気を出してタワーからゆっくりあふれ、お屋敷を暑気払いしてくれる便利グッズとなりました。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ冷房シャンデリア≫!!


 あしたからまた、快適なお仕事生活が始まります。

お嬢様とお帰りの際、あえてゆっくり歩きましたが、

これは当然、お嬢様のご安眠のためでございます。


べ、別に、お嬢様とちょっとでも長くスキンシップを取りたかったとか

そういうのじゃないんでございますからねっ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ