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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
105/150

第105回 魔法少女オジョウサマーでございます


「ふふ、哀れなものね。でも、ゴミはゴミらしくそうしているのがお似合いかしら。さあ、塵ひとつ残さず消し去ってあげるわ! 覚悟なさい!」


 お嬢様はすっかり御機嫌麗しく、廊下から階段周辺まで、壁も天井もはたき掛け……

 いえ、魔法剣掛けを施しておられます。


 剣の尖端の黒い球体はぎっちり固まって、静電気もくすぶって参りました。


 確かに、お嬢様には、普通の魔法はちょっと苦手なところもございます。

 が、決して素質自体が欠落されているわけではございません。

 それに、こうして趣向を凝らせますことで、学校のお勉強の感覚から少し離れますと、こうして伸び伸びと水を吸うスポンジのように上達されます。


「お見事でございます、お嬢様。ところで、暗黒のエネルギーは正義の味方が使用されるのもまた趣きがございますかと」


「ふふっ、ちょっとはコツが掴めたかしら。ありがとう、サン。悪役が正義の心に目覚めていく過程もカッコイイわよ」


 わたくしが指先を指揮棒のように振りますと、邪悪なる埃の塊はふわっと窓の外に飛んで行きまして、指パッチンで綺麗な花火となりました。


「魔法の維持と操作に関しましては、これで必要十分でございます。実のところ、今の魔法剣のような方法は、初等部ではまずカリキュラムにはございません。中等部の最終学年相当の難易度となっておりますので」


「まあ。それじゃあ私、ちょっとだけ天才気分だわ。……けど、私だけだと、こんなの絶対出来ないわね」


 剣を下ろされ、お嬢様はしょぼんとされました。

 その、コロコロお変わりになるご表情、額縁に入れて飾りたくなりますが、ここはフォローを申し上げます。


「わたくしは最初と最後以外には何もいたしておりません。お嬢様のお力にございます。また、魔法にしても早起きにしても、初めの瞬間が難しいものでございます。後は魔法の発動とゴミ処理を習得なされば、生活に役立つ魔法剣はお嬢様のものとなります」


 お嬢様が瞳をキラキラさせてこちらを見つめられると、何かの心に目覚めて参ります。

最初のセリフを浴びせられた壁の埃に対しまして、

わたくし怨念ジェラシーでございます。


ジェラ執事でございます。

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