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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
103/150

第103回 新必殺技でございます


 懐に入れて温めておきましたお豆腐の串焼きを差し上げまして、無事、お嬢様にはご機嫌を直していただきました。

 高タンパク低カロリーでございますのでダイエットには最適のおやつでございます。

 なお、お豆腐の合間にネギも挟んでありまして、味付けは希少糖を使用いたしました秘伝のタレでございます。


 それはさて置きまして。


 王立魔法学校の試験期間が普通の学校とはいささか異なる点、もう少しございます。


 魔法の試験は筆記と実技に分かれておりますが、実技は1日1科目まででございます。

 それに伴いまして、実技試験のある日は他の試験はございません。

 生徒の魔力と体力の回復のため、学校側の配慮でございます。


 また、実技試験の間は校門が開かれまして、外部からの取材や視察が入ります。

 試験の様子は後日、新聞や雑誌にも取り上げられます。

 もしかすると、騎士団や研究室などからのスカウトもあるかも知れません。


「サン、私ね。実技では目立たなくてもいいんだけど、せめてまともな成績を取りたいの」


「は、お嬢様。承知いたしております。確かに実技で合格なさらなくとも、筆記が通れば落第はございません。が、実技はやはり魔法学校における花形でございます」


 お嬢様には申しませんが、成績のことで他の生徒の方々への引け目がございますれば、学校生活の魅力も半減でございます。


 さて。この執事、一計を案じました。

 お嬢様に魔法をご使用いただくための、ちょっとした裏技でございます。


 懐に入れて温めておきました剣を取り出します。

 鞘を抜き払いまして、刃先を上に掲げます。

 放課後の教室でございますが、練習用の軽い刺突剣でございますゆえ、ご安心下さい。


 尖端に意識を集中いたしますと、剣先に黒い粒のようなものが現れました。


 こちら、教室から集めました、埃でございます。

 お掃除の魔法の応用技――


執事しつじ魔剣クリーナー≫!!


 それを、そーっとお嬢様にお渡しします。


「まあ。すごいわ、サン! 私も魔法を使ってるみたい!」


「いいえ、お嬢様。実際にお嬢様の魔力を消費して維持しております。その剣をゆっくりと、そちらの本棚の裏に差し入れてご覧下さい」


「わあー! たくさん取れるわ! 気持ちいー!」


 しばらくは、これで練習いたしましょう。

狭い所もお掃除ラクラク。


一家に一台、貴方の執事でございます。

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