第三話
不定期更新です。
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みんなで夕飯を食べ終わった後、俺たち双子は院長であるカルナさんに呼び出された。
「お前たちはもう十五歳だ、この孤児院を出ていく。それで、これから先どう生計を立てていくつもりだ?」
カルナさんは俺たちを鋭い瞳で見据える。
「「冒険者になります」」
この人ーーーーカルナさんを前にすると緊張してしまう。いつも軽い調子のキースですら敬語になるほど彼女には威圧感がある。
「冒険者、か」
この孤児院を出ていく子たちは大半が王都に向かい騎士か魔導士を目指す。
カルナさんは何かコネを持っているらしい。本当に謎な人である。
そうしなかったのはただの勘だが、二人揃って嫌な予感がすると感じたのだ。それならば、行かない方が良いだろうと話し合った結果である。
カルナさんが口を開く。
「それなら、偽名を使え」
「何故ですか」
「……当然だろう? それに万が一孤児院の子供たちが危険にさらされる可能性がある」
なんだか違和感がある。喉の小骨が引っかかったような……。
しかし、下の子供たちが危ないのなら仕方ないだろう。
無理矢理自分自身を納得させる。
ちらりとキースを見ると、彼は肩をすくめた。
はいはい、お前も同じ結論な。
「でも、出発前日に言わなくてもいいんじゃないですか? 偽名を考える時間がないです」
「なら、私が決める。そうだな……アルベルトとギルベルト、はどうだ?」
あらかじめ決めてたんですか。偽名とはいえ、人の名前なんてそんな簡単に決められないはずですよね。双子らしくなってるし。
キースが答える。
「じゃー、それにします。僕は今まで通り兄さん呼びなので」
「俺はなんて呼べばいいんだよ……」
「ギルでよくない〜? ちなみに兄さんの略称はアル」
「もうそれでいいよ」
もうやだ、疲れた。俺のことも考えてくれ。……考える前に行動してるんだろうけどさ。
つらつらと考えていたとき、カルナさんは何やら大きな袋を二つ差し出した。
「ほれ」
中身は旅装用のフード付きコートに、厚手の生地で作られたシャツとズボン。革製のベスト、ブーツ、手袋。小物類を入れるウェストポーチも入っている。
「餞別だ」
は、い?
コノヒトナニイッテルノ……?
目の前が真っ白になり、俺は意識を手放した。
◇キースside◇
あー、兄さんってば思考停止しちゃった〜。
まったく予想外のことに弱すぎるよね。今回のは結構な衝撃だったけど。
あれだ、自分より動揺してる人がいると冷静になるってやつである。
基本冷静で考えてから行動する苦労人で僕とは正反対。パニックになるのが玉に瑕。
片割れじゃなかったら恋してたかもしれない。それくらい双子の兄は僕の自慢だ。
ブラコンと笑いたければ笑え。兄さんが好きで何が悪い!
閑話休題。
「で、何故こんなものを僕たちに?」
カルナさんが僕たちに渡したのは、冒険者装備ーーーーそれもかなり良い品質のもの。
「まあ、お前たちに死なれたら困る。悪くて私の首が飛ぶ」
……物理的に? それとも何?
この人、カルナさんはまあ、衝撃的なことを次々とぶち込んでくれる。
「別にそれだけじゃない。ここの子供たちは私の息子のようなものだ。勿論、お前たちも」
その言葉に胸が暖かくなる気がした。
そうだよね。僕たちが何になろうと、僕たちの家はカルナさんがいるこの孤児院なのだ。
とはいえ、彼女がぶっ飛んだ人物であるのは変わらないわけで。
大体カルナさんと話をするハメになるのは僕だ。
なにしろ、兄さんがキャパオーバーで早いうちに話し合いから退場だもん。僕がやるしかないよね。
となるとカルナさんに慣れちゃうわけだ。
でも。
「ありがとうございます、僕たちのために」
そう告げるとカルナさんは笑みを浮かべた。
これから僕たちの旅が始まるんだ、そう思えた。
あ、貰った冒険者装備、僕のやつ改造しよ! あれ可愛くないし!
「…う、ぅうん……」
兄さんが起きたみたいだ。
「話はまとまったから〜! じゃ、僕この装備可愛く改造するのに忙しいんだ、部屋に戻るね〜!」
そう言い逃げした。
部屋にダッシュである。兄さんが追いかけてくるけど、僕の方が運動神経はいい。
残念だったね、兄さん!
読んでくださった方々に感謝。