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みにくい闇?の王女は足取りが重い。

ナツ様、花ゆき様の【童話パロ企画】第二弾です。

みにくいアヒルの子パロですが本筋ナニソレ状態です。

よろしくお願いいたします♪

白い…白い…白すぎる羽根。

白い…白い…白すぎる肌。

白い…白い…白すぎる髪。

白じゃないけど限りなく白に近い銀の目…。

それから体質が…。


「呼び出し困る…。」

私はぶつぶついいながら謁見室にむかった。


離れの廊下から本宮の廊下を覗く。

廊下を歩くのは黒い肌の麗しい人々がいきかうのが見えた。

背中の羽根も美しい極彩色のものばかりだ。


「よ、よし、私、がんば…。」

人が途切れたのを見計らって物陰からでる。

廊下で置物…置物みたいに並んでる衛兵と目があった。

とたんに緊張がはしる。


私は最終兵器…恐怖の大魔神?


「おい、殿下がお通りだサングラスを装備しろ!」

廊下に並んだ黒々しい肌の衛兵が号令をかけて素早くサングラスをかける。

「殿下、なんのご用でございますか?」

衛兵の人が敬礼して聞いた。

サングラスをかけてなるべく私をみないようにしているのにもかかわらず眩しそうにしている。


黒い肌に光の反射がはしる。

好きでこんな体質じゃない…。


外は闇空間特有の夜空なのに…私の周りだけ明るすぎるくらい明るかった。


「国王陛下のところ…。」

私は呟いた。

なんで呼び出されたか…こまる…。

衛兵が見ないようにして私を護衛しながらあるきだした。


途中であった人々も頭をさげみないようにしている。


「アフィールーノコ」

謁見室にいくときっちりサングラスと日よけを下ろした完全防備でお父様が玉座にすわっている。

黒い肌に極彩色の孔雀の尾羽が優雅に床に流れていた。

「アフィールーノコ、相変わらずみにくいな…。」

お父様が目を細めて言った。


どうせ…みにくいですよ…。


「殿下がみにくいのは生まれつきでございますので。」

重臣の一人がニコニコしながら言った…らしい。

サングラスかけてるから分からない…。

「…まあ、よい、アルフィールノコ、そなたに紹介したい方がおる。」

お父様が私から目をそらしてやっぱりサングラスをしている侍従に合図した。


一瞬、反応遅れた侍従があわてて扉を開けた。

サングラスだとアイコンタクトしにくいからね。


扉からひょろりとしたピンとした三角耳の黒い毛並みの…犬の顔をした獣人が現れた。

草色の動きやすそうな正装とマントが似合っている。


優しそうな黒い瞳が私に一瞬向けられ国王陛下(おとうさま)の前で礼を取った。


「お召しにより参上いたしました。」

獣人が爽やかな声でいった。

「ポロニス王子、我が娘を紹介する。」

お父様が私を見ないようにして獣人…ポロニス王子に言った。

「ありがとうございます、そちらの輝かしいお方がアフィールーノコ王女殿下でございますか?」

ポロニス王子が目を細めて爽やかな微笑みを浮かべた。


みにくい…のかな?

輝かしいなんていわれたの…初めて…。


「我が娘、アフィールーノコは見ての通りみにくいが…婿になってくれれば約束は果たそう。」

お父様が私を一瞬みて微笑んでから目をそらした。

「はい、お受けいたします。」

満面の笑みを浮かべてポロニス王子が言った。


あ、あれ?…私の結婚決まってる?


「アフィールーノコ、このお方はコボルト族のポロニス王子殿下だ、可愛がってもらいなさい。」

お父様が私を見ないようにして優しく微笑んだ。


ポロニス王子がじっとその様子を見てる。


恥ずかしいな…お父様、他人の見てる前で…重臣たちも微笑ましそうに目をそらしてるじゃない…。


ともかく…お婿さん決まっちゃった…。



後宮の離れへの道を案内しながらポロニス王子の視線を感じた。

みにくくないのかな…。


「アフィールーノコ殿下は…疎まれているのではないのですか?」

ポロニス王子が静かに聞いた。

「なんで…ですか?」

疎まれたことなんてない。

「アフィールーノコ殿下のことをみにくいとけなされていらっしゃいましたので。」

思わず振り向いた視線の先に真面目な顔したポロニス王子がいた。

「………あれはけなして…。」

ないのだけど…それになんで視線が合うんだろう…。


「アフィールーノコ殿下はこんなに美しく光輝いているのに。」

ポロニス王子が静かに近づいてくる。

思わず後ずさって壁に背中がぶつかった。

「か、かがやいてる?…」

私はポロニス王子の両腕の間に閉じ込められて戸惑いの視線を向けた。

「ええ、光の魔神族の血筋をお持ちだけあって何て麗しい。」

ポロニス王子がどこか陶酔した様子で私を見つめた。

「……だから、闇の魔神族のお父様とみんなには見にくいのです…。」

ご、誤解?誤解されてる?

「……どういう意味ですか?アフィールーノコ殿下?」

ポロニス王子が言った。

「私…私ここでは光属性が強すぎて闇の魔神族のお父様やみんなは眩しくて見えにくいのです!」

一気に叫んで息切れした。

倒れそうになってポロニス王子にだきとめられる。


そう…私は光の魔神族のお母様と闇の魔神族のお父様が両種族のかけはしのために結婚して産まれた…光属性をもって…。


お母様は弱い光属性しか持たない光の魔神族の姫だったのに覚醒遺伝で普通光属性くらいを持ってるから…。


だから闇の魔神族国ではみんな眩し過ぎてみにくいのに…光の魔神族国では光属性があっても私にとっても眩しすぎで暮らせない…闇の魔神族の王の血が私に闇の魔神族の身体を…色素以外与えたから…。


ここではなにもできない役立たずで…なんど儚くなりたいと思っただろう…でも…みんな優しくしてくれるから…いきていけるんだ…。


「俺は誤解してたみたいですね。」

ポロニス王子が優しく微笑んで私を抱き上げた。

「あの…うごけま…。」

私がいいかけると甘く微笑まれた。

「俺はあなたが悲劇の疎まれた姫君だと思っていました。」

そういいながら私が暮らしやすいようにしつらえられた離れの廊下を進む。

「疎まれてません。」

それは言える…。


私のいつもいる居間の寝椅子に腰をおろしてそのまま膝上に乗せてはなしてくれない。

ぬけだそうとしてますます抱き込まれた。

案外…ちからがある…。

「こんな豪華な檻はみたことがありません…あのタペストリーでうちの王宮一年の予算くらいです。」

ポロニス王子が感心したように織蜘蛛一族の職人の力作をみた。

闇の魔神王族の麗しい姿と私の白々しいでも明らか闇の魔神王族の長い尾羽がある姿がおりこまれている。

「お金なんてわかりません。」

檻…檻なんかじゃない。

「あなたは箱入り…いえ檻入り娘だからお金のない苦しみがわからないのですよ。」

ポロニス王子が苦笑した。


ポロニス王子はコボルトの農業国の王子で天候に左右されるのと南からの安い食料に押されてやや貧乏らしい。


国王陛下(スケベジジイ)に妹を買われそうになったときは殺意を覚えました。」

小さい声でポロニス王子が呟いた。


す、スケベジジイってお父様のこと?

確かに後宮には正妃(おかあさま)はじめそれなりの側妃(おかあさまたち)がいるけど…。


無理矢理じゃないはず…。


「俺が代わると言ったとき二つ返事だったのでどんな変態かと思いましたけど…愛娘の婿とはね…たしかにコボルトの俺なら光属性も大丈夫ですしね。」

ポロニス王子が私を見つめた。

「結婚…嫌なら断ってください…。」

私はその綺麗な黒い瞳にドキドキしながら言った。

「俺では嫌ですか?」

困ったな、もう帰るところがないんですとポロニス王子が呟いた。

「いや…じゃないです。」

私は近すぎる異性にドキドキしながら答えた。

「では、俺で良いですよね?」

ポロニス王子が私の首筋をあまがみした。


どうしようドキドキする。


「嫌だといっても離しませんけどね。」

そうに言って甘く微笑んでポロニス王子にキスされた。


どうしようあったばかりなのにドキドキする。


人族が光の星を観察するために使う望遠鏡で私を観察しているおかあさまたちとおかあさまが見えた。


おかあさまたちはサングラスもかけている。

あの望遠鏡…覗かないように破壊しとかないと…。


「俺だけをみてください。」

ポロニス王子が私の顔を上に向けさせてキスをまたされた。

「私はみにくくないですか?」

そういいながらもポロニス王子の優しい犬顔を見つめてしまう。

「あなたはみにくくない綺麗です…。」

ポロニス王子が優しく私の背中を撫でていった。


どうしよう…こんなに見られたことないよ…ドキドキする…。

駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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