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過去1

片腕から血がドクトクと溢れ出ていたが、


密林を躊躇も無く疾走していた。

目的の孤児院はもうすぐ其処だった。


安価な靴底は摺り減り、何度もバランスを崩しそ

うになる。

女は吹雪で不鮮明な視界の先の孤児院が拡大して

くる事に安堵した。


要約、足を止め溜め息を吐いてから、荒れた呼吸

が正すまでに何分かかったろうか。

ふと、腕に抱えたものを見下ろすと思いの外穏や

かな寝息を立てている事を知る。


今日はクリスマスイブ

女には名前を委ねる資格もない


孤児院のポーチに託された小さな命に向かって十

字を切ると、女は言いかけた言葉を深く呑み込ん

で森の中へと消えていった。


挿絵(By みてみん)

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