強引デート!?空気の読めない騎士と優しい王子様
「今日、デート行くぞ。」
朝、私の目の前に突然現れたのは、青い髪の騎士・リオンだった。
「え? ちょっと待って、なんで勝手に決めてるの!?」
「決めたのは、昨日。オレの心がそう言った。」
「いやいや、私の都合は!?私の意思は!?」
「大丈夫、大丈夫。オレ、そういうの気にしないタイプ。」
「気にしてよ!!!」
リオンは、私の反論なんてまるで聞いていないように、にこにこと私の手をぐいっと引っ張る。
「デート行こう。シリリと。」
「栞里だって言ってるでしょーーー!!」
***
連れてこられたのは、異世界の可愛いお菓子屋さんだった。
「ここ、オレの好きな店。サトウ、オレのおすすめ、絶対うまい。」
「いや、急すぎるでしょ……」
私はまだ納得していないのに、リオンは店の中で、私にスプーンを差し出してきた。
「はい、あーん。」
「えっ!?ちょ、待って、そういうのはまだ……!」
「え、大丈夫。オレ、スキンシップ得意。」
「……私が得意じゃないの!!!」
「オレ、サトウのペースも大事にする。だから、ちょっとずつスキンシップ増やす。」
「いや、最初からだいぶ距離近いんだけど!!」
リオンはまったく悪気がない様子で、私の髪にふわっと触れようとした。
その瞬間――
「リオン、それ以上は、だめだよ。」
聞き慣れた、落ち着く低い声が聞こえた。
「玲くん……!」
黒いスーツに薔薇のブローチ。ゆっくりと、でも確かに近づいてくる王子様。
「リオン、栞里が困ってる。僕は、そういうの、嫌だよ。」
「え、困ってたの!? オレ、てっきり照れてるのかと。」
「……栞里は、まだ急には距離を詰められたくないんだよ。」
「マジか。……日本語、難しいな。」
「いや、そこはたぶん関係ない。」
玲くんは私の前にすっと立ち、そっと私を自分の後ろに隠した。
「僕は、栞里のペースでいたい。」
「……あー、オレ、負けてないけどな。」
リオンは肩をすくめ、いたずらっぽく笑って手を振った。
「次はもっと、びっくりさせるサプライズするから、楽しみにしとけよ、シリリ。」
「栞里だってばーーー!!」
***
玲くんと並んで歩く帰り道。
「……ごめんね、栞里。リオン、空気読むの苦手なんだ。」
「うん……でも、来てくれて、ありがとう。」
玲くんは私を見つめて、微笑んだ。
「……栞里の笑顔、僕、好きだよ。」
「えっ……」
「また一緒に歩こうね。栞里のペースで。」
玲くんの優しさが、少しだけ胸に残った。
私、この世界で――だんだん、玲くんが気になるかもしれない。
(次回)
リオンのサプライズ大暴走!?玲くんの本音が……!?
読んでいただきありがとうございます!
リオンはとにかく空気が読めない男です…
でもちゃんと好きなんですよ、栞里のこと。
次回はリオンのサプライズ(たぶん大失敗)が炸裂します!笑
よかったらまた遊びに来てください( *´꒳`*)