表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

いきなり現れた騎士、距離感バグってます!?

「……おはよう、僕のお嫁さん。」


玲くんは今日も、やわらかい笑顔で私を迎えに来た。

異世界に来てから数日。


――正直、最初は驚いた。


「僕のお嫁さんなんだね!」って、いきなり押しが強くて、距離も近くて。

朝から晩まで隣にいようとして、正直ちょっと、怖かった。


でも、玲くんはちゃんと私のことを見てくれた。


私が戸惑っていると気づいたその日から、彼は少し距離を取ってくれるようになった。


今は、無理に触れたりしないし、歩くペースも合わせてくれる。


私はまだ、この世界のことも、玲くんのこともよく分からないけど。

でも……


「朝ごはん、一緒に行こう?」


「……うん。」


今は、この距離が少し、心地いいと思っている。


***


「お前が、王子の嫁だな。」


食堂に入った瞬間、背後から声をかけられた。

振り返ると、青い髪の青年が立っていた。


長い前髪、鋭い目、腰には剣――

玲くんの近衛騎士、リオン。


「お前、サトウ……えっと……シリリ?」


栞里しおりです!」


「オーケー、シリリだ。」


「どこで切った!?」


「だってオレ、日本生まれだけど、育ちはこっち。日本語、ちょっと、あやしい。」


「いや、惜しいのに間違えないで!」


リオンはにやりと笑って、遠慮なく私のすぐ隣に座ってきた。

全くためらいがない。


「オレ、お前、気に入った。たぶん、オレの方が合ってる、絶対。」


「え、いや、なんで!?初対面で!?」


「オレ、好きはすぐ決まる。そーゆータイプ。」


リオンはさらっと私の髪に触れようとする。

……その瞬間。


「リオン、それ以上は、だめだよ。」


玲くんが、いつもの優しい声で、でもちゃんとリオンの手を止めた。

ゆっくり、でもしっかりと――私の前に立ってくれる。


「栞里は、僕のお嫁さんだよ。」


「知ってる。でも、オレ、あきらめない。勝負する。オレの方がいいって、シリリが思うまで。」


「栞里って呼んで!」


「……シリリ、オーケー。」


絶対わざとだ。


リオンは悪びれもせず、私の顔をまっすぐ見つめる。


「次、お前、デート連れてく。オレ、イタリア式、知ってる。」


「え、やだ、めっちゃ怪しい!!!」


玲くんは、困ったように微笑んだ。


「……リオンはね、ちょっと不器用なんだ。」


「不器用のレベルじゃないよ!!!」


私の異世界生活は、どうやら――

押しの強い騎士と、ちゃんと見守ってくれる王子の間で、振り回される日々になりそう。


最後まで読んでくれてありがとう!

リオンに振り回される栞里、どうなるんでしょう……!?

もしよかったら、また次のお話も読みに来てください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ