表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

おはよう、僕のお嫁さん!

はじめまして!

異世界転生したら、なぜか天然王子様のお嫁さんになってしまった佐藤栞里の、ドタバタなお話です。

恋愛とツッコミと甘々(予定)を楽しんでいただけたら嬉しいです!

それでは、第1話スタートです!


目が覚めると、私は知らない天井を見上げていた。


……ここ、どこ?


ふかふかのベッド、金色の刺繍が施されたカーテン。

部屋の隅には薔薇の彫刻。どう考えても、私の家じゃない。


「おはよう、僕のお嫁さん。」


低くて、心に優しく響く声が、ふいに耳を撫でた。

その声は、驚くほど心地よくて、まるで温かいお湯に浸かっているみたいに安心する。


でも、内容が安心できない。


「……お嫁さん?」


声のほうを見ると、そこには金色の髪をふわりと揺らし、片目が前髪に隠れた男の人が立っていた。


黒のスーツを着こなし、胸元には一輪の赤い薔薇。

少しがっしりした体格に、柔らかい笑顔。


美形……ではない。

でも、なぜかすごく目を引く人だった。


「えっと……どちら様でしょうか?」


「僕は、山田玲。君のお婿さんだよ。」


「いやいやいやいやいやいやいやいや!?」


待って。

私、昨日までただの高校生だったんだけど!?

お婿さんって何!?結婚した覚えないんだけど!?


「君、昨日、急に倒れちゃったからすごく心配したよ。無事で良かった……!」


玲はふわっと笑って、ゆっくり私の手を取る。

その手は温かくて、優しくて――。


「……って、いやいやいや!!勝手に触らないで!!!」


「え?お嫁さんだもん、普通だよ。」


「いや普通じゃないから!?初対面だよね!?」


「そうだね、今日が初めまして。でも、昨日、婚約の儀式はちゃんとしたんだよ。」


「記憶にない!!!」


やばい、この人、天然すぎる。

しかもこの心地いい声で、当たり前のように話すから、ツッコんでも全然ダメージがない。


「これから、よろしくね。」


玲は私の手をぎゅっと握り、嬉しそうに微笑んだ。


「僕は、君を大事にするから。」


低くて優しい声が、やけに胸に響く。


……って、いやいや、落ち着け私!!

騙されちゃダメだ。これ、絶対おかしいから!!


「とりあえず、ごはん食べに行こう。お嫁さんと朝ごはん、一緒に食べるのが夢だったんだ。」


「勝手に夢にしないで!?」


完全にペースを握られたまま、私は立ち上がる。


異世界でのお嫁さん生活は――

どうやら、いきなり始まってしまったらしい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

玲くん、ちょっと不思議で天然だけど……気になる存在になれたでしょうか?

次のお話も、覗きに来てくれたら嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ