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【書籍化決定】転生したら魔法が使えない無能と捨てられたけど、魔力が規格外に万能でした  作者: 鳥助
第一章 捨てられたけど、万能な魔力があるお陰でなんとかなりそう!

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22.冒険者ギルドに向かう

「ユナ……本当に大丈夫? 誰かに憑かれていたんじゃ」

「大丈夫だよ! ちょっと妄想が過ぎちゃっただけ!」

『私の事を妄想だなんて、ユナ……酷いです!』

「オルディア様、盗み聞きしてる!」

「やっぱり、何かに憑かれているんだな!」

「い、いやいや! 違うの!」


 あー、もう! オルディア様が突然出てくるから素で反応しちゃったよ! 折角、クロネが落ち着いてくれたのに、再燃しちゃったじゃない。


「本当になんでもないから! そう! 空耳が聞こえただけだから!」

『空耳……。本当なら私の言葉はとっても貴重なんですよ! プンプン!』

「……本当か? もし魔物のゴースト系だったら大変な事になっていたんだぞ」

「あー……ゴーストみたいな、でもゴーストじゃないようなぁ」

『ガーン! ゴーストの魔物と私は同類じゃありません!』


 いやいや、どうしてこの創造神は人の話に入って来るんだ! 話がややこしくなるから、あっちにいって!


『スンッ……。また、呼んでくださいね……』

「ほら、もう大丈夫! 空耳もなくなったよ!」

「……本当?」

「本当、本当!」


 ジトッとこちらを注意深く見てくる。その警戒心の高さは頼もしいけれど、今発揮しないで欲しい。


「そんなことよりも楽しい話しようよ! ほら、町に着いたんだし」

「楽しい話か……。どんな話?」

「えっ、えーっと……」


 私は話題作りに周囲を見渡した。町の中は石造りの家々が建ち並ぶ。それは中世の街並みみたいで、冒険心をくすぐられる光景だ。


 次にそこで行き交う人々に目が向いた。普通の人間は当たり前にいるとして、それ以外だ。耳の長いエルフ、ずんぐりむっくりのドワーフ、子供みたいな背丈のホビット、そして獣人。


 獣人には二種類いるらしく、全身が毛に覆われた獣タイプと耳としっぽだけ付いた人間タイプがいる。そして、この町にはその二種類の人間が行き交っていた。


「色んな人がいて、見ているだけでもとっても楽しいよ!」

「ルベリオン帝国は多種族が生きる国だからな。多種多様の人が生きている」

「そうなんだね。私がいたカレディア王国は人間主義だったから、他種族はいなかったの。だから、こんなに沢山の人が見られて楽しい!」


 なんといっても、獣人! 獣タイプの獣人を見ると、ムラムラするっというかムズムズする。あの毛をわしゃわしゃしたり、頬ずりしたりしたら……えへへ。


「……やけに獣タイプの獣人を見ているな」

「はっ! いや、これは! う、浮気じゃないの! ただ、毛の魅力が!」

「?」


 いけない、隣に素晴らしいもふもふがいるのに目移りしちゃだめ! クロネに寂しい思いをさせちゃう! ハッ! 嫉妬させちゃうかもー!


「ユナは獣人が好きなんだな」

「へっ、う……うん」


 よ、良かった……嫉妬はしてないみたい。獣タイプがいいのかー! って、嫌われたくないから。これだったら、両方とも愛でても大丈夫だって事だよね! クロネは懐が深いなぁ!


「クロネが優しくて本当に良かったよ」

「? ユナは時々良く分からないことを言う」

「それでいいんだよ、クロネはそのままで」

「?」


 不思議そうに首を傾けるクロネ。私はそのクロネを労い、肩をポンポンと叩いて上げた。


「町に着いたら、まずはどうする? 何か食べる?」

「先に冒険者ギルドに行こう。仮の証明書じゃ心もとない」

「そうだね。冒険者ギルドかー、どんなところだろう?」


 異世界転生して冒険者ギルドに行くのは初めてだ。小説で読んだみたいな、怖いイベントとかあるのかな?


 ゲヘヘ、子供がこんなところに何の用だ? とか言って、絡んできたりするのかなぁ。こんなか弱い子に手を出してくるなんて許せない。絡んできたら、しっかりと懲らしめなくっちゃ。


 気合を入れながら道を進んでいくと、通りに大きな建物が見えてきた。特徴的なエンブレムが付いた建物で、様々な人が出入りしている。


「あのエンブレムがあるところが冒険者ギルド」

「あっ、そうなんだ。覚えておこうっと」

「じゃあ、中に入って、ユナの冒険者登録だ」

「う、うん!」


 いよいよ、冒険者ギルドに入るのね。怖い人たちが絡んできても、自慢の魔力で解決だ!

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エルフはOK ドワーフもOK でもホビットはあらゆる作品で ハーフリングとかグラスランナー とかに改称されています。 ネットがなかった頃なんか 初版第一刷のあとには増刷ではなく その巻だけ改訂版第一…
女神さま可愛い。こんな大人になりたかった。(それは人としてどうかとも思います。)
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