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【書籍化決定】転生したら魔法が使えない無能と捨てられたけど、魔力が規格外に万能でした  作者: 鳥助
第一章 捨てられたけど、万能な魔力があるお陰でなんとかなりそう!
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19.集団オーク戦

「おい! こっちにもいるぞ!」


 オークの集団の後ろに立つと、クロネが声を上げて注目を集めた。オークは新しく現れた獲物に興奮した様子でいきり立つ。


「オークを引き付けておく。ユナは先にやられていた人達の保護を頼む」

「うん、任せて」


 それが先決だろう。クロネはそれを言い終わると、オークの集団に立ち向かっていった。


 クロネがオークを引き付けている内に、やられていた人達を保護しなくっちゃ。でも、どうやってオークを抜けて、その人達の所にいこう?


 あの場に転移が出来れば……。そうだ! クロネの服を脱がしたあの魔法を使えばいいんだ。


 じゃあ、早速その人達の傍に魔力を飛ばして……転移!


 魔力にイメージを籠めると、私の居場所が一瞬にして変わった。視界は変わり、やられていた人達の近くまで一瞬で移動出来る。


「なっ……どこから!?」

「くっ、敵か!?」


 すると、鎧を来たお兄さんが驚いた顔をしてこちらを見た。


「大丈夫、味方だよ。今、みんなに防御魔法を掛けるね」


 馬車が一台、馬が二体、護衛らしきお兄さんが二人。それら全部に魔力を被せて、防御魔法に変異させる。


「これは! ありがたい!」

「助かった!」


 傷ついたお兄さんたちはとても嬉しそうな顔をした。本当は傷を癒してあげたいけれど、面倒な事になったら大変だから今は回復しない。


「少女よ、あとは俺たちに任せろ」

「この防御魔法があれば、オークの集団なんて……」

「無理をしないで。仲間が戦っているし、私も一緒に戦う」

「戦える……のか?」

「ありがたい申し出だが……大丈夫か?」

「まだそんなに経験はないけど、初めてじゃないから大丈夫!」


 気合を入れた姿を見せると、お兄さんたちはちょっと困惑した表情になった。


「なら、よろしく頼む」

「無理はしなくてもいいぞ」

「うん!」


 よし、これで一緒に戦っても大丈夫になったね。じゃあ、オークの集団は……。そう思ってオークの集団を見ると――


「ふっ!」

「ブモォォッ!」


 華麗に飛び回ってオークの攻撃を避けるクロネの姿があった。オークたちは連係を取り合い、休むことなくクロネに攻撃を仕掛けるが、どれも当たっていない。クロネ……凄い!


 はっ! 見惚れている場合じゃなかった!


「クロネ、準備は完了だよ!」

「分かった」


 合図をすると、すぐにクロネが双剣を握る。地面に着地すると、その姿が消えた。その次の瞬間――


「ブモォォッ!」


 一体のオークが鮮血で濡れた。オークがゆっくりと膝から崩れ落ち、地面に横たわった。一瞬で同胞がやられたことに他のオークは動揺し始める。


 攻撃の手を緩めたオークに向けて、クロネは手先を手前にクイクイと動かす。


「弱いから、まとめて掛かってこい」


 ふっ、と笑ってオークたちを挑発した。その舐めた態度にオークたちは雄たけびを上げて、怒りを露にする。そして、一斉にクロネに向かっていった。


「そうはさせない!」

「俺たちもいるぞ!」


 そこに護衛のお兄さんたちも加入して、乱戦状態になった。乱戦状態になったことで、私の方にはオークの注目がない。ということは、魔法を乱射し放題だ。


 手を向けて魔力を魔法に変えようとすると、そこで気づいた。乱戦状態になっている所に大きな魔法を放ったら、クロネたちが危ないということ。


 ど、どうしよう! これじゃあ、私の魔法がクロネたちに当たっちゃう! クロネたちに当たらないようにするにはどうしたらいいかな?


 考えている間にもクロネは次々とオークを屠っていく。その数はいつの間にか半分にまで減り、状況は好転していた。


 これじゃあ、何もできないまま終わっちゃう! クロネたちに当たらないように、離れたオークを狙って……。


 宙に浮かべた魔力を鋭い氷に変異させると、オークの頭を狙って放つ。真っすぐ飛んでいった鋭い氷はこちらに気づかないオークの頭に突き刺さった。その衝撃で、オークは横倒しに倒れる。


 よし、一体ずつならクロネたちに当たらない! 私は次々に宙に鋭い氷を生成すると、オークの頭目掛けてそれを放つ。


 オークたちは全く私に注意がいっていないので、攻撃は不意打ちになっていた。一体、二体……次々と倒していき、最後の一体を――


「ふんっ!」

「ブモォォッ!」


 オークに飛び掛かったクロネが首を刎ねて倒した。最後のオークの体がずしん、と地面に横たわるとその場には静寂が降りた。


 戦闘終了だ。

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